【小説を書く】『ネタ』と『物語』の差、そしてヒキ【考察】

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小説を書いていて長くなり、いくつかに分けて書く場合。

最初から連載を考えて書く場合

ラストに期待を持たせて、次回をワクワクと待ってもらうための『ヒキ』が必要になります。

 

『新書一冊分』12万文字を『書く』ということ。

『12万文字を書くためのネタを物語化する』

こう書くと『一つのタスク』に思えるでしょう。

【GTD】『タスク』とは?『プロジェクト』とは? | ポジティブにタスク管理

実際にはこういうことです。

  1. 12万文字を書く
  2. そのための『ネタ』を見つける。
  3. その『ネタ』を『物語化』する。

ね?

 

『三つのタスク』が合わさって『小説』って書けるのです。

  1. 12万文字を書いただけではつまらない。
  2. そのための『ネタ』を見つけなければ、物語にならない。
  3. その『ネタ』を『物語化』しなければ、テキストデッサンでしかない。

 

『書く』だけなら『テキストデッサン』と一緒なんです。

『ネタ』が重要なのです。

 

一つのネタの場合。

一つのネタにも、開始と終了があって、真ん中が盛り上がる。

これを『読者のワクワク感の高さ』とする。

20151201_00Create3D9610

 

ネタが始まる前はゼロで、終わった後もゼロなので、

『一つのネタ』を全部書いてしまうと、ラストがゼロで終わってしまい

『はいはい』『アー、よかったね』という印象を読者に与える。

 

ヒキを作るならば↑赤ラインの部分。

盛り上がりの寸前で切らなければならない。

 

簡単にたとえると

  1. Aさんが
  2. かっこよくたばこを取り出し
  3. かっこよく火を付け
  4. かっこよく吸って
  5. かっこよく消して
  6. かっこよく去って行った。

これが『一つのネタ』。

 

これを書きたかった理由は、

Aさんがかっこよくたばこを吸うところを描きたかったの~♪』というもの。

Aさんのファン以外には、面白くもなんともないネタ。

 

最後がゼロで終わっているので、

もうこの後にも前にも『何もない』。読者の期待もゼロ。

イラストで描くなら丁度良い題材ですね。

 

 

このネタをゼロで終わらせないためには

このネタがゼロになるまえに、次のネタを重ねる。

20151201_00Create3D9611

↑水色の●が『Aさんがたばこを吸って去る』

 

黄色が

  1. 女のコが歩いてくる。
  2. Aさんとすれ違う。

こういう小さいネタ。

 

けれど、それを前のエピソードと重ねると

 

  1. Aさんが
  2. かっこよくたばこを取り出し
  3. かっこよく火を付け
  4. かっこよく吸って
  5. 下ろした手が、
  6. 後ろから来た女のコの手に当たりかけて
  7. 火傷を負わせそうな事故になりかけた。
  8. 「ごめんよ、気づかなくてっ、怪我はなかった?」
  9. 「私も、かっこいい人がいると思って、見とれてたの。ごめんなさい」
  10. 去っていく女のコ。
  11. 見送るAさん。
  12. 「女の子、怪我もなく大丈夫そう。良かった!」
  13. Aさんはかっこよくたばこを消して
  14. かっこよく去って行った。

20151201_00Create3D9611

こうすると、Aさんと女のコの出会いのエピソードという、大きな『波』ができる。

 

こういうふうに、

前のエピソードが下降気味になったときに次のエピソードを重ねることで、

『読者のワクワク感の高さ』をゼロにしないというのが重要。

20151201_00Create3D9612

 

これを↓並列にすると

  1. Aさんがたばこを吸いました。
  2. 女のコがすれ違いました。

↓こうなる。

  1. Aさんが
  2. かっこよくたばこを取り出し
  3. かっこよく火を付け
  4. かっこよく吸って
  5. かっこよく吸い終わりました。
  6. 歩きだしたら
  7. 後ろから来た女のコに当たりかけて
  8. 「あ、ごめん」
  9. 「いいえ」
  10. 去っていく女のコ。
  11. 去っていくAさん。

終わっちゃいますね。

こんなこと、普通にあるから、どちらの頭にも残りませんね。

 

こんなふうに、一つ一つのエピソードを並列に並べてしまうと↓

20151201_00Create3D9613

エピソードが終わったときのゼロ位置で者が読むのをやめてしまうのですね。

 

pixivにしろ、ブログの小説にしろ

『アクセス数、閲覧数』の分『読まれている』と思ったら大間違い。

星をつけてくれたりブクマしてくれた人以外の半数以上は

見た瞬間閉じてるか、最後まで読んでない。

 

『どこで読者がそのページを離脱したか』というのは

特別なツールを導入しないと可視化できません。(でもそういうツールはある)

 

『物語』の場合。

『一つのネタ』がたくさん集まってかたまりをなし、次のネタへと続いていく。

20151201_00Create3D9609

  • 開始のネタ以外は、前のネタの尻尾に重ねていく。
  • 絶対に、『読者のワクワク感の高さ』をゼロにしない。

 

これも、『印象深い話』にしたい場合は、最後をゼロまで落とすのではなく

このラインで終わることがとても大事。

20151201_00Create3D9614

「えっ!」

と思わせることで、

『この話し全部の重要度』が一気に読者の中で多くなって印象深くなる。

ただ、これは一歩間違えると

  • しり切れとんぼ
  • 夢落ち
  • 最後まで書け!

という不満にも繋がる。

 

とくに最近は、こういう『次に期待させた』終わり方を嫌う人が多くなったとか。

 

たとえば、『ロミオとジュリエット』みたいにいがみ合っている両家の間の恋愛で

  1. 事故ったロミオとジュリエットが助け合って生き残り、
  2. 手を繋いでお互いの無事を確かめあったところに
  3. 家族が来て
  4. 生きているだけでいいから、と許され
  5. 無事帰宅して
  6. ハッピーエンド!

 

という話しの場合。

『ハッピーエンド!』まで行ってしまうと、それ以外のエンドは無いので

読者はすがすがしく読了でき、

『幸せになって良かったね!』という感想以外、ほぼ無くなる。

 

  1. 事故ったロミオとジュリエットが助け合って生き残り、
  2. 手を繋いでお互いの無事を確かめあったところに
  3. 家族が来て ← ここで切る
  4. 生きているだけでいいから、と許され
  5. 無事帰宅して
  6. ハッピーエンド!

↑こうすると

二人は手を繋いでこれからもがんばろう、と誓っているけれど

その向こうに、二人のことを許していない両家の親の姿が見える。

ここで、終わる。

 

二人はこのあと、

  • 両親に許されるのか、
  • 許されなくても在宅のまま恋愛を続けるのか、
  • 駆け落ちするのか。
  • 心中するのか。

そういう『この先の選択肢』が読者の中に残り

『このさき、この二人はどうなるんだろう』考えてくれる人が出てきます。

これが『余韻』。

 

ネタを途中で切って終わる、ということ。

 

20151201_00Create3D9614

 

 

『連載のヒキ』になると、常に↓ここでエピソードを切る必要があります。

20151201_00Create3D9610

 

 

なぜ今更考察したか。

今、pixivにupする用の小説が山ほど、エピソードだけあるんです。

で、残しておいても仕方ないので、

完成品にしなくてもupしていこうって思ったんですけど

あまりにも『ゼロ~ゼロ』の話しばかりなので

(ネタだけだから、クライマックスがない)

自分的にもつまらないので

出す気にならないものばかりというのがきついなぁ……

と思って

頭の整理をしてみました。

 

それと、このブログにコメントをいただきましたので、

過去の記事を引っ張ってきて、多少手をくわえました。

【小説以外のお悩みについて】 | 小説の書き方-プロ作家が答えます

 

 

一度『面白くない』と思われたら、作家としては最後。

最低でも『私が面白い』と思わないと出せない、ので

やっぱり『一本の話し』にしないといけないんだなぁ、と

再確認しました。

 

『お前の話はどれも面白くねーよ』

って言う人はいいんです。

私に対して好意ゼロの人がマイナスになろうがどうでもいい。

全人類に好かれるのは無理なので、私を嫌いなひとのことはどうでもいい。

 

でも、面白いから読んでくださっていた人

『面白くない』と思われるのは痛いわけです。

 

 

↓2000文字ぐらいなら、『ゼロ~ゼロ』でもいいんですけど

20151201_00Create3D9615

二万文字とか越えるものがそれだと、

本当に読者の時間の無駄になるので、最低限は整えなきゃ、と思うと

またどんどん文字数が増えていくんですよね。

 

↑の左上の↓BLではないです。流血シーンがすさまじいですけど。

【刀剣乱舞】『湯屋』 白州 読み切り」/「晶山嵐」の小説 [pixiv]

 

 

悩んでてもしょうがないので、書きましょう。

そうしましょう!

 

【小説を書く】『ネタ』と『物語』の差、そしてヒキ【考察】

でした。

 

エンジョイ! & サンキュー♪

【この記事を書いた日 2015/12/01  6:22 】

 

この記事で参照したリンク一覧

コメント

  1. ピエール・テュルコワーズ より:

    ありがとうございました。大変勉強になりました。m(_ _)m

  2. ピエール・テュルコワーズ より:

    晶山先生へ

    いつも講座読ませて頂いております。

    晶山先生に質問があります。

    すいません「【小説以外のお悩みについて】自分を好きになるために」への質問なんですが、そのページにコメントを残す欄が見つからなかったのでこちらで質問させて頂きました。

    「たまには下を見ることも大事」と書かれていたので、同ジャンルの同カプ作品とブクマ数を比べてみたのですが、自分がそのジャンルで1、2を争うブクマの少ない底辺だと分かって余計に凹んだだけだったんですが。

    他ジャンルの方と比べるのは違うと思うんですよ。例えば漫画が連載中でアニメもリアルタイムで放送中でpixivに毎日小説が投稿されてる作品Aと、15年以上前に終了してpixivに小説が1年に一回投稿されるかどうかの作品Bを比べて、ブクマ数で勝っても違うと思うんですよ。Bはただ読み手がいないだけでブクマ数が少なくても、面白くない下手だ、自分より下だ、とは思えないんですよ。

    だから公正に判断する為には同ジャンルの方と比べないと意味ないと思うんです。

    そして同ジャンルの方と比べたら一番読まれてないのが自分だったんです。

    しかも一作しか投稿してないならまだいいんですが、1年以上かけて沢山の作品を投稿してこの結果だったので流石に凹みます。

    自分より下がいない時はどうやって自分を慰めればいいんでしょうか?

    気にしないようにしても閲覧数やブクマ数が少ないとモチベーションが上がらなくて、次の作品が書けないのですが。

    「どうせどのジャンルで何書いても自分なんてそのジャンルの最下位なのに……」と思うとモチベーションが上がらないんです。

    最下位にいる人間でもモチベーションを保つ方法と言いますか、自分の作品を好きになる方法があったから教えて下さい。

    ヘタレな質問で申し訳ごさいません。

    • 晶山嵐 より:

      自分の作品を好きになる方法 ということですが
      『好きなこと』を書いてらっしゃいますか?

      いままでいただいたメッセでも、『こういうのがこうだからこういうのを書いてみた』とよく書いてらっしゃいますよね?

      『リサーチ』ができて
      そのリサーチをちゃんと『分析』できて
      その『分析結果』から『作品の傾向』を類推できて
      その類推したものを実際に書く

      とか

      自分のしていることをちゃんと理解して
      教習サイトで目的地を作って
      そこに向かって作品を作り出す。

      というのは、凄い能力なんです。
      私でもそんなことできないです。
      できたらもっと売れてます。

      ただね、そこに
      『あなたの萌え』が入ってないのではないですか?

      『このキャラを好きで書いてますか?』と質問差し上げましたよね?
      あれを読者が感じると、二度とあなたの作品を読まないです。

      ただそれも『味』にしてしまえば問題ないのです。

      私も昔『あなたはこのキャラクター本当に好きなんですかっ!』と
      切手を張ったお手紙で批判をいただいたことがあります。
      そのかたには残念なお知らせですが、その本は1000部以上売れて
      続編もどんどん売れたんです。

      そう言う場合は、『ピンポイントで嫌いな人』が発生しただけです。

      ですが、現状であなたの場合、大多数の人が不愉快だと思ったから
      アクセスが延びていないのですよね?

      あの作品で『萌え』ていて、『自分でも超面白い!』と思っているのでしたら
      あれを突き詰めた方がよいです。
      あれは強烈です。インパクトがあります。
      あそこまで普通書けないです。

      だから、好きな人はものすごくはまります。
      ただ、ジャンル読者の絶対数が少ないから、それがブクマとかに結びつかないだけです。

      今でもブクマはついているじゃないですか。
      そのブクマを着けてくれた人に向けて書けばいいんです。

      ただ、その『作品公開のしかた』は、
      『大多数に売れる方法』ではないですよね。

      明かに『ニッチ(読者が超少ない)』ですよね。

      以前いただいたコメントで『萌が足りないようでした!』と書いてらっしゃいましたが
      ちゃんと『萌てます』か?

      あなたの今の作品は『創作』ではなくて『分析結果の羅列』ではないですか?

      『分析できるのは凄い』のです。
      そこに、あなたの萌を乗せましょう。

      そして『分析結果はこうなんだけど』ではなく、
      『私は超面白い!』というものだけ、公開しましょう。

      あなた自身がまず、『面白い』と思うものを公開しましょう。
      あなた一人が満足しないものを、誰も満足してくれません。

      『私は超面白い!』というものだけ、公開しましょう。
      『私は超面白い!』というものだけ、公開しましょう。
      『私は超面白い!』というものだけ、公開しましょう。

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