【小説を推敲する】歌仙の夢1 第四稿からよけた分。

小説の書き方

小説は推敲する物。

最初から完成稿が書けるわけではないです。

 

と、何度かあちこちで書せていただきました。

 

↓こういう説明も動画を作りました。

(1) 小説の書き方 『第一稿、第二稿』の意味 - YouTube - YouTube

 

長いので、実際に、テキストを記事にコピー&ペーストしていきます。

 

同じ小説の、多少違ったバージョンが

いくつも記事になりますが、ご了承ください。

 

今回は↓この小説の第一稿から、第五稿までです。

[R-18G] 【刀剣乱舞 兼歌】歌仙の夢 桜湧 | 晶山嵐 #pixiv 

 

 『歌仙の夢 桜湧(おうゆう)』第一稿。

 和泉は之定に後をつけられていたのだ。後ろでそう呟かれて振り返った瞬間、もう歌仙は消えていて、その時の出撃も忠興を守れず、和泉がさすがに切れた。
 之定がいなければ、あと一秒でも二秒でも、長く歌仙を見ていられたのに!
「てめぇっ! なんであそこで声を出したっ! もう少しで捕まえられるかもしれなかったのに!」
 帰還して手入れをしたあと、和泉は抜き身を引っさげて之定の部屋に踏み込んだ。
 咄嗟に之定は石切丸の袖を掴んだが、彼ら二人も、自分の数十倍の歴史を刻んだ付喪神の憤怒を真正面から受けて、腰が抜けてしまっている。辺りは陸奥の采配で人払いがされてしまった。
 『穏やかな近侍』であった和泉の、城を震わすような逆鱗。和泉が声を荒らげたことさえ見たことが無かった之定たち新新参に、その感情の荒波を受け止めることなどできるはずが無かった。
 まだ、之定は和泉に腕力で勝てるほど育ってはいない。之定よりあとに入った石切丸もそうだし、後にははるかに強くなるだろう太郎太刀も、今の和泉から見れば、幼子でしかない。
 私刑……いや、破壊になるかもしれない……と、陸奥を始め古参は思った。
 この数十年、歌仙が消えてから喋ることさえまれだった和泉が、以前以上に激怒している。以前の和泉でさえ、戦場以外で刀を抜いたことなど無かった。
 短刀達は次郎や薬研の元で泣き震える。彼らの兄たちにはすがれない。なぜなら、彼らも新参だから『歌仙』を知らないのだ。震える自分がそのことを告げてしまえば『之定が消える』ということが知れ渡ってしまう。それは、和泉に逆らうことだ。
 あの、赤い瞳の和泉に逆らうことだ。
 そんな怖いことは、短刀達にできなかった。
 彼らはみな、歌仙がいなくなったときの和泉の、あの号泣を見ているのだ。
 もう、泣いて欲しくなかった。
 次に和泉が泣いたら、戻ってきてくれない気が、するから。
 古参達は初詣でいつも願う。
 『以前の』歌仙と和泉が戻ってきてくれますように、と。
 賑やかだった本丸に戻ってほしい、と願うのだ。
 兄たちも、弟達がなぜ自分の元で泣かないのかと心配だが、本丸全体の戒厳令の元、どうしようもない。
 すでに新刀は、和泉の顔さえ一度も見たことが無い者も多いのだ。なぜ顔を隠しているのか、という理由も、『歌仙-之定』に関連することだから、古参が喋ることもできない。
 そんな中、之定の部屋に暗雲が立ち込めていた。石切丸が失神寸前で失禁している。
「忍んでる奴を追ってるのに、他人に聞こえるぐらい声を出す馬鹿がどこにいる! あいつは気づいてなかったんだから、今回こそは捕まえられたのに!」
 抜き身を構えて足を踏みならす大近侍に、之定も腰が抜けていた。そこにいる二人に助けを求める精神のゆとりももう無い。和泉から目が逸らせないのだ。
 目を逸らしたら、その一瞬で自分が破壊されるのは、微塵にも揺るがないそのむき身の太刀が物語っていた。
 之定は、歌仙が望んだ通り、『人を斬ったことの無い刀』だ。命のやりとりをしたことが無い。
 戦場には出ているが、付喪神としてのそれと、本身で人を斬ったそれとは違う。
 歴史上の戦場に出たことのある和泉の迫力に、深窓の箱入りである之定が勝てる筈は無いのだ。
 けれど、彼にも国宝である意地がある。
 設えが良かったから『錆びずに残った』だけの人切り包丁に負ける気はなかった。
「では言わせて貰うが、和泉守っ!」
 さすが歌仙と同じ刀、と言えるだろう。和泉に対して、まだ、言い返せるその気力。
 だがそれは、幸運だっただろうか。
『和泉、君はもう……』
 歌仙が名前を呼んでくれたときは苦笑と同時が多かった。『和泉守』という時は礼装の場だけだ。
 歌仙と同じ顔、同じ声でそう呼ばれたことで、和泉の精神は一気に振り切れた。ここに陸奥が居たなら体を張っても和泉を押さえてくれたかもしれない。
 だが、その陸奥さえ、私刑になるかもしれないと思っていながら人払いをした。
 之定の『自分は美術品である』という自尊心は、本丸でも度々物議をかもしたのだ。
『雅びを解せない人切り包丁風情が』
 それが、彼の隠れた口癖だったのだから。石切丸や太郎から何度も糺されているが、聞こえないところでは言っていることがわかる瞳で和泉派の刀達に鼻をそびやかす
 自分も神刀になるのだ、と、石切丸と日々念仏を唱えていた。
 精神は、鍛えられていただろう。
 今の、和泉の迫力がわからない程には。
 何事にも動じない太郎太刀ですら、畳みに突っ伏して動けなくなっているこの、城をも燃え上がらせるかのような和泉の激情が、之定にはわからないのだ。

作成日: 2015年5月19日(火) 19時39分

蛇足

こんなふうに、長文を削除したくなったときは

別のテキストによけておきます。

 

どうせ、二度と使いませんが

『書いた文章を永久に削除する』って悲しいですよね。

だって、『せっかく書いた』んだから。

 

でも、小説で要らない部分は、少なければ少ないほどいいんです。

 

だから、『ここ要らない』と思ったらさくっと

本文から削除しましょう。

 

もったいないと思うのでしたら、

こんなふうに、避けておけばいいです。

 

『いつか使える』と思って、紙袋を押し入れいっぱいにするのと

似た扱いになります。

 

多分使わないけど、捨てるのもったいない。

 

リアルで紙袋を残すと居住区域や

収納区域を圧迫して生活が面倒になりますが

パソコンの中にテキストが多少残っていても

そうそう邪魔になりません。

 

小説のテキストなんか、8万文字書いても、268キロです。

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もう一つ避けたの発見。

『おまんはどうかしらんがよ、俺は、歌仙殿の男気に惚れてここにおるんじゃきっ! あんお人を侮辱するんは許さんぜよっ!』

『イの字ぃ、なんでおんし、そがいに歌仙様の足をとめよぉ? お忙しい人なんじゃきぃ、邪魔しないな』

川魚の桶

その金刺?の服で子供の遊びを仕掛けている。

『あの狸は、身を切らせて骨を断つ奴じゃの。自分に衆道の気が無いのに、男の口を吸うとか、ワシには信じられんきに。あーコワコワ!』

「イの字。起きとるんじゃろ? おんしが飛び起きる事態が勃発したぜよ」

「そげんこと言われたら出て来れんが」

「お前に殺されるのわかって逃げたんき? ……あっ! 和泉ッ! ワレ、どこ行くがっ! ワシらはっ!」

「全員陣の撤去に戻るがっっ! そののち、戦闘をなるべく避けて本丸帰還! 本丸の状況見て、一時逃げるのもありじゃっ! 和泉に近づくなっ! ええかっ! 次郎もっ、面白がって覗くんじゃなかとよっ!」

「今剣っ! イの字はまだかっ!」

こいつ抜いちょうっ!

「……あの壁、板でいいが、中が見えんようしてくれんか? あとで修復させるき」
「之定を弔うてやる奴まで切り捨てはせんじゃろ。動けんのなら静かにしちょれ」

「どないしたっちゃっ! イの字! 俺はここにいるぜよっ!」

「この本丸の、誰があの最凶近侍を止められるがかっ! 之定のために、ワシに壊れろっちゅーかワレっ!」

「私たちが何かできることあったんじゃないですか? っ! なにかっ…………あんなになる前にっ!」

「とにかく、飯の時間じゃき。広間行こうぜよ。栗きんとんしかないが。腹ためて考えよ」

 之定が耐えられんくなった時に、もう一波瀾あるぜよ……と、陸奥は次郎と目を見交わす。

「おうっ! ワシがおるぜよっ! 入ろうか?」

 


 

まだ、陸奥の土佐弁が確定してなかった頃のセリフ集w

『桜湧』は最初に書いた刀剣乱舞の二次小説なので

陸奥が目茶苦茶ですw

 

こんな資料のいる二次は本当に、久々ですw

 

【この記事を書いた日 2018/03/16 21:40 】

 

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