【小説の書き方】『推敲』とは『小説を育てる』ことである。

小説の書き方

『小説』は『推敲するもの』である。

 

そう、このブログで何度も書いているけれど

それを知ってもなお、

『完成稿』を最初から書こうとしている人がいるように思う。

 

『推敲』は『やりなおし』『修正』ではない。

『完成稿』を書こうとしている人の『考え方』としては

『修正をしなくても良いものを最初から書きたい』のだろうと思う。

 

『修正』が面倒臭いと『思う』のは仕方ない。

だって、『修正』だけなら、それは私でも面倒臭い。

 

私はオフ同人をしているときに

最高で一年間で33冊

本を自費出版したことがある。

 

本当に、こういうペースで

書いて、出版して、イベントに参加していた。

この時でも『修正』『推敲』はしてたんだ。

 

  1. テキストファイルに小説を打ち込む。
    1. 横書き。
    2. テキストファイル、一行20文字で、六千行ぐらい?
      1. 『オンラインで公開』ということが前提ではないこのころは『文字数』ではなく『行数』という概念だった。
  2. そのファイルをページメーカー(今のInDesign)で『版下』にする。
    1. 縦書き。
  3. ページメーカーで、不要部分を削除して、頁数を合わせる。
    1. そのときは、上限200ページだったので、小説本文を、180枚程度におさえないといけなかったから。
    2. 大体、20ページ分ぐらい削除したり、行を詰めたりする。
    3. 一行の文字間を詰めることで行を短くすることができる。
    4. 一括置換や修正、追記もする。
  4. 本文印刷。
    1. これ以降は小説内容をいじれない。

 

商業誌を出したあと『Just Right!』という校正ソフトを買った。

  1. テキストファイルに小説を打ち込む。
    1. 横書き。
  2. Just Right!で一括置換、修正、追記をする。
    1. 横書き。
  3. そのファイルをページメーカー(今のInDesign)で『版下』にする。
    1. 縦書き。
  4. ページメーカーで、不要部分を削除して、頁数を合わせる。
    1. そのときは、上限200ページだったので、小説本文を、180枚程度におさえないといけなかったから。
    2. 大体、20ページ分ぐらい削除したり、行を詰めたりする。
    3. 一括置換や修正もする。
  5. 本文印刷。
    1. これ以降は小説内容をいじれない。

 

見てもらえばわかるように、

この時代は『書いたものを推敲』ことはホボなかった。

版下にするときに、数ページ追記することぐらいが

『推敲』だった。

 

『書いたもの全部』を『公開していた』のがこの時代。

『その時のノリ』で書いていたので

当たりはずれもあったことと思う。

 

ただ『勢い』だけはあったからか

『一気に読める』小説だと、感想はいただいていた。

 

うちの売り子嬢もこういうことを言ってくれていた。

 

『休み』があれば

ベッド周りに飲み物やお菓子を積み上げて

嵐子さんの本を積んで

端からどっぷり読んでいくのが至福です。

 

 

とにかく、

こういう書き方は、同人誌をやめてpixivで

無料公開するようになってもあまり変わらなかったけど

『締め切りに迫られていない』から変わったことは多い。

 

『推敲』は『小説を育てる』ということ。

『pixivで公開』は、無料閲覧できるし

『イベント合わせ』とかがないので

ゆったり執筆できる。

 

それも相まって、『書いたけど公開しない』話が増えた。

面白くない話は放置して次を書く。

小説の書き方について、晶山嵐が残念がっている
晶山嵐
なんかパンチが足りないな。

小説の書き方について、晶山嵐が残念がっている
晶山嵐
これは一本にならないな。

そういうものは、『書いたけど放置』として

パソコンの中にどんどんたまっていく。

 

私はそういうのを『放置が普通』

そう思っていたから気付かなかった。

 

『この話、書き続けて面白くなるのかなぁ?』という疑問。

 

これって、多分

『私なら放置してる小説を書き続けてるんだろう』

この質問を三回もらったときに思ったんだ。

 

 

 

小説の書き方について、晶山嵐が残念がっている
晶山嵐

面白くならないと思ったら捨てたらいいのに

なぜ書き続けるんだろう?

 

それが疑問で仕方なかった。

 

そのあとも質問を受け続けてようやく気付いた。

  1. 面白くないと思っている『小説』にこだわっているから
  2. 次のアイデアが出ない。
  3. 次のアイデアが出ないから、
  4. 『最初に書いた小説』を『捨てる』なんことを思いつかない。

だから、『面白くないと分かっている』のに

書き続けているのではないか?

つまり、『面白くないのに~』と思っている人は

『アイデアが出ない』んだ。

 

『アイデアが次々出る』なら

『アイデアの中で面白いものを取捨選択』できるから

『面白くないのに~』を『捨てる』ことは簡単な筈。

 

そう、思った。

一円玉が一万枚入ったバケツを両手で持っているから

次に、10円玉が一万枚入ったバケツを持てない。

そういう状況。

 

一円玉のバケツは合計一万円。

10万円のバケツは、合計10万円。

一万円のバケツを捨てて10万円のバケツを

とったほうが『得』なのに

『最初に手に入れたもの』を

捨てられないから

10倍の価値のモノが目の前にあるのに

入手できない。

それが『アイデアを捨てられない』人のやってることなんだよ。

 

『面白くなるのかなぁ?』なんて小説を捨てれば

『次の小説を思いつく』んだ。

 

でも、こう思うよね。

 

一万円のバケツを捨てたのに

10万円のバケツがこなかったらどうする!

そうやって、『一万円のバケツ』を捨てないから

100万円のバケツ、一億円のバケツが目の前をよぎっても

『取れない』んだよ。

 

 

一万円のアイデアにこだわって

『面白くなるのかなー』と思って『手を入れ続ける』から

『10万円のアイデア』が湧いても

『10万円の方を放置』して『一万円に手を書け続ける』。

こういう事態が発生してるんだ。

 

 

なぜなら

『次に浮かんだアイデアが10万円だとはわからない』から。

 

つまりは、『面白い小説を書く』には

『意識改革』が必要なんだ。

 

『無料』は実は『高価』

今回は『たとえ』として『一万円のバケツ』と書いたけど

実際には『マイナスのバケツ』なんだよね。

 

なぜなら、

『無料公開』が前提の小説には

『金銭的価値が発生しにくい』から。

無料で公開して、ヒットして

書籍化やコミカライズされてようやく『現金収益が発生する』。

こういうのを『マネタイズ』と最近では言います。

見本品を配って、

正規品を購入してもらうのも『マネタイズ』です。

化粧品とか、多いですね。

 

『無料で読めるネット小説』ってほぼこれですね。

中には『趣味で書いている』から

『公開先がほしいだけ』もいるでしょうが

『マネタイズを目指す』人が多いですよね。

 

『マネタイズを目指している』間は『収益はない』のです。

つまりは『無料公開の小説』は『ゼロ円のバケツ』なんですね。

 

 

そして、『実際』には

『その小説を書いた【「あなたの時給」×2】』がマイナスになってるのです。

 

なぜ『あなたの時給 かける 2』なのか?

それは下記の前提から計算します。

  • あなたが『Aの小説を書くのに100時間』かかったとします。
  • あなたの時給を5000円とします。

 

『Aの小説』はあなたにとって

『50万円分の時間』を使って書いたものですね。

そして『Aの小説を書いていない』なら

その100時間であなたは『別のことができた』でしょう?

だから、『かける2』になるのです。

 

1000円の時給でレジをやっていれば

5時間で5千円になります。

でも、その時間、漫画を読んでいれば五千円は発生しません?

つまりは、この事例での『あなた』は

『5千円を払って漫画を読んでいた』ことになるのです。

 

これが、『お金持ち』こそが『ワーカーホリック』になる原因です。

なぜなら、『お金持ちの時給』は数万円~数百万円になるからですね。

 

二時間あれば数百万円入手できる事業をできたかもしれないのに

その収入を蹴って二時間も漫画を読む。

そんなことを自分に許さない!

そんな人が、『お金はあるのに過労死寸前』になっちゃうんですね。

 

お金が足りない人は、この逆が発生します。

『将来のことを考える時給』は将来的に時給数万円になるのに

『「考える気力」を「時給数百円」で「売り払ってしまう」』

だから、将来が良くならないのです。

 

 

話を戻して、

『Aの小説』は

『あなたの時給100万円分』を『使って書いた』けど

『無料公開』だから『マイナス100万円』の価値になる。

 

そういう計算。

 

こういう計算が根底にあるから

  • 『プロ作家になりたい』とか
  • 『創作系で一番簡単そうだから小説家がいい』とか

そんなマインドで『小説を書く』なら、

『他の職業』を目指した方が稼げるよ、ということなんです。

 

だって『書きたくないと思って書かれた小説』なんて

絶対ヒットしませんから。

『絶対ヒットしない』ことに時間をかけるのは無駄なんですよ。

 

『書きたくて書いてヒッとしない人』がいるのに

『書きたくないのに書いてヒッとする』なんて

『天才以外には発生しない』んです。

 

そして、天才なら

『書いたらヒットする』ので

『作家になりたい』とか喚いている時間はないんですよ。

だって、『書いたら売れてる』んですから。

 

  • 書いても売れてない。
  • 書くことも好きではない。

 

それなら、作家以外を目指した方が稼げるんです。

 

 

『「あなたの生み出したモノ」で「金銭的価値」を得ない場合』は

『時間給だけ』ではなく『二倍の時間給』が

最低でもかかっているのですよ。

 

これが『趣味』ならどうでもいいんで。

  • 『書いている間が楽しい』
  • 『多少コメントとかあったらより楽しい』

そういう状態だから。

 

『小説を書くのが楽しい』ということは

『楽しい時間を過ごしている』のですから

そこに時給とか考えなくていいんです。

 

 

グルメの人が、1200円のラーメンを食べるために

交通宿泊費数万円をかけて東京から博多に行くとか、

グルメじゃない人からすると馬鹿なことを、と思うけど

『本人は幸せ』なんだからいいんですよ。

 

 

『小説を書くのが楽しい』のなら

そもそもが『したいこと』なんですから

『時間給が発生しない』んです。

 

漫画やアニメを好きな人が

それらを見ている時間を時間給で計算しないのと同じ。

 

『閲覧している時間は楽しい』から

『損だと思っていない』のなら、

好きなだけ時間を費やせばいいんです。

だって、『楽しい』んですから。

 

 

でも『プロ作家になりたい』とか

『コメントが少ない! 評価が低い!』とか言ってる人って

『書いてる居る間が楽しい』のか?

そういう疑問がでますよね?

 

 

つまりは『書いている間が楽しくない』なら

それは『趣味』ではないので

『二倍の時給 プラス 精神苦痛』がマイナスになっているのです。

 

 

そして『書いている間が楽しくない』から

『最短で小説を完成させたい』ために

『完成稿を書く』という『無理』をして

  • 小説が書けけなかったり
  • 書けていたとしても『面白くなるのかなぁ?』とか思ったり
  • 公開しても評価が低かったりする。

 

『精神苦痛』って時給の何十倍、何百倍、

何万倍の換算になるかもしれないんですよ?

 

 

妬み嫉みで『人は簡単に狂う』のですから。

 

そもそもが『書くことが好きではない』のに

小説家なんて目指して 

『書けない』で苦しんだ上に

『書いても評されない』で

『なんであんな人のものがコミカライズされているのに!』とか

他人を恨み始めたら、

人生が大きくマイナスになります。

 

 

だからこそ

『小説を書くことをあきらめない』のなら、

『小説を書くことを好きになる』ための

努力をしましょう、と、

このブログで何度も書いています。

 

そりゃ『小説を書くのが楽しい』のでなければ

『多作』なんてできないですよね?

 

でもね、小説業界に限らず

どの業界でも

『天才以外』は『多作』しないとトップには立てないんですよ。

 

野球で『三割打者』って言うでしょ?

『三割打者』って『凄い成績が良い』ことですよね?

『三割打者』って、わかりますよね?

『七割は打ってない』んですよ?

 

打席に10回立って、三回ヒット。

これが『三割打者』です。

 

つまりは、マウンドに立っているのに

七回は三振してるんです。

 

でもね『30%成功』って『凄いこと』なんですよ。

【小説を書いたあと】評価されるのは1%と心得よ。

こういうのは『ヒットする小説』も一緒なんです。

 

10本公開して3本当たれば『天才!』なんですよ。

だから『多作』することで

『当たる数を増やす』必要があるんです。

 

印税目的で小説家を目指す人ってこういうことを考えています。

『最初に書いた、たった一本の小説で一生の印税生活が可能』。

そんなん天才でもほぼ無理ですからね。

 

縁故のない高校でも成績最低だった新入社員が

明日、社長になって、年商二倍にする。

それぐらい無理です。

 

たまに『白馬の王子様』というのは存在するので

『絶対に無理』ではないですが

ほぼ無理です。

 

 

『天才かどうかの見分け方』は簡単。

『小説を三本公開』して

三カ月以内にある程度ヒットする。

これが、実現できてしまうのが『天才』。

 

『ある程度』というのは、最近だと

『ランキングに入る』とかでいいんじゃないでしょうかね。

 

才能のかけらがあれば、

最低でも、上位100位ぐらいにはすぐ入るでしょう。

 

 

ランキングで、開始一か月以内に

ランキング千位ぐらいに入れば

才能がないとしても『努力が実っている』証拠です。

 

どこでこの数字を出してきたかというと

私がソシャゲをやると、開始10日ぐらいで

ランキング300ぐらいには軽々入るからです。

 

開始が遅い速いとか関係ないです。

 

開始が速くても、ぼんやりやってると

調査して入った周回遅れに一気に抜かれます。

 

 

ある程度調査して始めれば、

何も考えずに始めた人より上にいけます。

警察とか軍で言えば『キャリアスタート』というものですね。

 

そこまでは『天才でなくてもできる』のです。

でも『調査する努力』は必要です。

 

  1. 調査する。
  2. 調査から予定を組む。
  3. 予定を実行する。
  4. 実行してフィードバックを得る。
  5. フィードバックから次の予定を立てる。
  6. その予定を実行する。
  7. 4~6の繰り返し。

これですね。

 

『小説を書く』に当てはめるとこういうことですね。

  1. 短いの小説を数本書いてみる。
  2. 『書く』とはどういうことなのか実感する。
  3. その実感から、今後も書くのかどうか考える。
  4. どういうのが書きやすいのか考える。
  5. それを書いてみる。
  6. 思いついたものを端から書いてみる。
  7. どれが評価が高いか確認する。
  8. 評価の高いジャンルを重点的に書く。

こういうことです。

 

『プロになりたい』とか言う人は『1』の段階で停まってます。

だって『書く数を少なくしたい』から。

『たくさん書きたくない』から『書かないという選択』をするために

『2』に行かないので

『そう簡単に書けない』ということが『わからない』のです。

だって『書いてない』ですからね。

 

『多作』ができれば 

↓ この『検証』が10本ぐらいでできます。

  1. 短いの小説を3本書いてみる。
  2. 『書く』とはどういうことなのか実感する。
  3. その実感から、今後も書くのかどうか考える。
  4. どういうのが書きやすいのか考える。
  5. 七本ぐらい書いてみる  ←  ←  ← 
  6. 思いついたものを端から書いてみる。
  7. どれが評価が高いか確認する。
  8. 評価の高いジャンルを重点的に書く。

 

『7』あたりで『10本の小説を書いている』のですね。

ならば『わかる』のです。

『これを私の人生で続けるべきかどうか』ということが。

 

この時点では『現金の入手』もほぼないでしょうから

『楽しさ』しか『指針がない』のですね。

  • 楽しければ続ける。
  • 楽しくなければやめる。

その二択です。

 

最初の10本で、

『半年連続で毎月10円以上稼げるなら』

それは才能があると言ってもいいので

続けても良いかもしれません。

 

  • 出版して、見ず知らずの誰かが買ってくれる。
    • 同人誌。
    • アマゾンキンドルなど。
  • 自サイトで小説を公開して広告収入がある。

このどちらかですね。

 

『書き始めた最初の10本』では

『出版社には相手にされない』ので商業出版は省きました。

 

どちらも、友人や身内があなただと知っていて買ったのはカウントしません。

 

広告収入だと、一円二円なら、

偶然でも入るので『10円』に設定してみました。

 

『最初の数回』は偶然の可能性があるので

『半年連続して』という制約を入れます。

 

ね?

『売れている』だけでも、これだけの説明が必要になるのです。

そして、『小説で毎月10円稼ぐ』って大変なんですよ。

 

『小説を書く』ことが『楽しい』状態でないと

『やってられない』のです。

 

 

私は『小説を書くのが楽しい』ので

そういう人の質問には誠実にお答えしたいと

このサイトを立ち上げました。

 

ですが『少ない本数でプロになりたい』とか

考える人の質問が増えてくると、正直ウザイです。

 

『書くのをやめればいいのに』。

この一言ですね。

 

それでも書きたいなら『多作』を目指すこと。

 

『多作』なんて『できるようになった』ら簡単です。

なぜなら、人間は

『よくやることを好きなこと』だと『錯覚』して

『本当に好きになるから』です。

 

 

私は、22年に普通乗用車の免許を取得しました。

免許を取ってからも『運転するのが怖い』状態でした。

 

だって、一トンもある鉄塊を

私の知らない仕組みのエンジンで動かして

ハンドル一つで私が怪我をすることも

人を殺すこともできる。

そんな『大きな物体を動かしている』ということが

とにかく怖くて仕方なかったんです。

 

ですが、

毎日乗り続けて三週間経ったとき

ふと

『運転って楽しい!』という『感覚』に変わりました。

 

毎日乗っているから『慣れた』ことで

『恐怖が薄らぎ』、

『毎日やってるってことは楽しんだろ?』と

脳が錯覚したのです。

 

『小説の多作』も似たようなものです。

 

毎日毎日書いていればそのうち脳が錯覚します。

 

『小説のことを考える』のではなく

『文章を書く』のです。

 

『一日千文字ぐらいのアウトプット』です。

メモでも、なんでもいいですから

『思いついたことをアウトプットし続ける』んです。

 

お金も、『使わないと入ってこない』ときいたことがありませんか?

 

『情報』もそうなんです。

『情報を出す』から『情報が入ってくる』のです。

『小説家』にとっても『情報』とは

『アイデア、ネタ』ということですね。

 

『ネタを小説にして毎日文章で書く』から

『頭が空っぽになるため』に

『アイデアが無限にわく』のです。

 

『メモが癖になる』ころには

この感覚は分かると思います。

 

書けば出る。

 

書けば出るから

『この話面白くなるのかなぁ?』と思ったときは

それを捨てて『新しい小説用ファイルを作る』ことで

『新しい小説』のネタが浮かびます。

 

『良い小背が書ける』のは、そのあとの話です。

 

『良いネタ』なんてのはないんです。

『ネタをどう加工して面白い小説にするのか』

それは『あなた次第』なんですよ。

 

そして、最終的には

『書き上がって評価された小説のネタ』が『良いネタ』になるのです。

だから『良いネタを探す』のではなく

『どんなネタでもいい』から『小説にしてみる』のです。

 

死んだおじいちゃんがよく言っていた。
人だろうとモノだろうとお金だろうと、ご縁はめぐりめぐって帰ってくる、と。
おじいちゃんが飼っていた犬のタロウ。逃げちゃってずっといなかったのに、私がトラックに跳ねられそうになったとき、私を突き飛ばしてトラックに跳ねられた。このおなかの痣はタロウに違いない。
タロウはお金持ちに拾われていたようで、その息子と結果的に私が結婚することになった。おじいちゃんを嫌っていた両親を捨ててアメリカ住まい開始!

こんな『ネタ』を思いついたとしましょう。

 

どこに手を入れて話を長くするかはあなた次第。

  • 『アメリカ住まい開始!』のあとを書くのも自由。
  • 息子との恋愛事情を書くのも自由。

なんでもできます。

  • 『ご縁はめぐってくる』と思ったおじいちゃんが生きてきた人生のイベント。
  • タロウを入手した時。
  • タロウがいなくなって探し回った時。
  • なぜ『私』がトラックに跳ねられそうになったのか?
  • 『お金持ち』はどういう人たちだったのか。
  • 『私の両親』はどういう人だったのか。
  • 実は、タロウは未来から『私』を救いに来た。
  • 『息子』の両親は悪人だった。

いっっっくらでも書けますよね?

このちょっとした一文は『一つのネタ』ですが

そこから『無数のネタ』が枝葉を伸ばし

どんな小説だって書けるのです。

 

それが『ネタ』なんですね。

 

でも、この『一文』を書いただけで

『こんなの面白くない、やーめた』と放置してしまったら

『枝葉は延びない』のです。

 

『小説』は『熟成』『腐敗』『発酵』する。

小説は『放置』しておけば、変わるのです。

  • 腐敗
    • 人間には摂取できない形で腐る。
  • 発酵
    • 人間には摂取できる形で腐る。
  • 熟成。
    • 時間経過によって酵素などによって変化する。

 

殆どの小説は腐敗しますw

なぜなら、三割打者でも7回は見送るからですね。

10回打って、七回撃てなかったら

『ほとんど打ってない』と言っても良いのに、

三割打者として崇められるのです。

 

それを理解すれば『殆どは日の目を観ない』ことも

理解できるはずですね。

 

あなたが書いた、私が書いた

『殆どの文章』は日の目を見ません。

なぜなら『ほとんどは腐る』からです。

 

でも、納豆はなんでできましたか?

ワインはなんでできましたか?

 

『発酵』したからですよね?

 

そして、『最初は偶然』だったものを

『研究』して『ほぼ発酵させる』ことが

できるようになったからですね。

 

小説も一緒なんです。

 

小説の書き方について、晶山嵐が残念がっている
晶山嵐
あ、これ『腐敗したな』と思ったら捨てる。

小説の書き方について、晶山嵐が残念がっている
晶山嵐
あ、これ、なんか見込みあるかもしれない。

たまに読みかえして、気になった部分を追加修正する。

つまりは『発酵の加減を見る』という感じですね。

 

その中でも『腐敗したな』と思っても

数年経って読みかえしてみれば

『ちょっと追加しただけで面白くなるぞ!』と思うものがある。

こういうのが『熟成が完成した』感じですね。

 

『くさった』のではなく『熟成中だった』ということです。

 

『熟成』する理由は

『あなたの心境変化』『時代が変わった』。

そこらへんの原因です。

 

若いときは『母が亡くなった』というネタも

『悲しいよね』だけで『通りすぎていた』けど

実際に『自分の母親が亡くなった後』では

まったく、受け取り方が変わるでしょう?

 

若いときに書いた小説って

『そのときはダメだと思った』としても

『あとで読みかえしたらうまく書き直せる』ことってよくあります。

 

私が今書いている小説も

去年書き始めて、ちさろうにも見てもらって

色々書き足してはいるんですが、いまだ公開していません。

なぜなら『パッとしない』からです。

 

すでに新書二冊ぶんぐらい書いていますが

なかなか『公開のふんぎりがつかない』のですね。

 

なぜだか、わかりました。

ついこの前の夜、『打開策を思いついた』からです。

 

一度書いて、数カ月放置して

もう一度読みかえして

サイドストーリーをガンガン書き足して

それでも『冒頭あたりがパッとしない』

『冒頭数行』は書き始めた当時に第三稿ぐらいで完成しました。

あれ以上の冒頭はないでしょう。

 

ただ、そのあとが不味い。

 

本筋は変わらないので

後ろをどんどん書いていますが、冒頭が不味い。

 

そして、『序盤』だと思っていた部分を

『シリーズ1』にすることでしっくり来ることに気づきました。

 

そのために『数ページの序盤』だったものが

新書一冊分ぐらいまで膨れ上がりました。

 

『推敲』ってそう言うものなんです。

 

パンを作るときに『タネを寝かせる』と

『ぷくーっと膨れる』でしょう?

あれ『発酵』してるからですよね。

 

小説も、『寝かせる』ことでめっちゃ膨れ上がったり

しぼんだり、熟成したりします。

 

その都度、必要だと思う部分を追加修正していくのは

『楽しい作業』なんですよね。

 

だって『小説が、今まさに育っている!』のですから!

 

私は子供を生んだことがないから想像でしかないですが

『子供の成長を見守る』のもこんな感じかな、と思ってます。

 

読みかえして修正したり、文章を追加しているのが楽しい!

だから、後ろが全然手つかずだけど

今楽しいからずっと楽しい!ヽ(´▽`)ノ

 

そんな状態です。

 

『推敲したくない』ひとは

こういう楽しさを知らないのですね。

 

発酵させずにパンを焼き上げるには?

そんなことを考えてるんです。

 

 

発酵させた方がおいしいパンになるのに。

 

 

『焼き物』も、粘土で形を作って

『焼く』と二割ほど縮むんです。

それを『縮まないように焼くにはどうするか?』

そんなことを考える。

 

二割縮むことを計算して作る方が簡単なのに。

だって『余分なことはしたくない』から

『完成形だけ作りたい』なら

『縮まない方法を考えた方が良い』。

そんな考え方です。

 

 

大昔『アラベスク』というクラシックバレーの漫画がありました。

最後は天才のライバルと、凡才の主人公が成績を争います。

主人公のアドバイザーはこう言っていました。

天才は、天才ゆえに試行錯誤しない。

『できてしまう』からだ。

 

お前は凡才だから最初の一回は天才よりヘタだ。

だが、お前は努力をやめない。

 

だから、100回、200回努力をしたとき

『天才の一回目』よりうまくなる可能性がある。

 

だから、努力しろ

だから、努力する。

 

私は、中学校ぐらいの時にこれを読んで

『努力は天才に勝てる』と信じましたww

 

だからこそ、この名言を私流に解釈して

『何回もの努力』を『多作』と置き換え

ひたすら書いてきたのです。

 

ただ、『楽しかった』ので別段

『苦労』だとは思いませんでしたけど。

 

小説をやめて3Dに行ったときに理解しました。

 

小説の書き方について、晶山嵐が残念がっている
晶山嵐
『わからないことを努力する』ことはこんなにも苦痛なのだ!

 

私は3Dの日本刀をアメリカの会社でデータ販売しています。

私は3Dのデータ販売をしています。

私の作った日本刀です。

アメリカのデータ販売会社『DAZ3D』でリリースしました。

日本刀歌仙兼定を3Dで作成する

日本刀、歌仙兼定レプリカ。AW Katana KasenKanesada | DAZカテゴリ一覧

 

 

 

 

 

 

 

歌仙兼定の刀を作る | Daz StudioでCreate3D。CG制作作業日記

 ↑ このサイトで、制作過程を全部書いています。

 

3Dをちょっと知っている人なら分かると思いますけど

私は『ポリゴン』『UV』という言葉を知らずに

3Dモデリングを始めたんですよ。

 

絵を描くことで置き換えるなら

『色の出し方を知らなかったから、金属で引っかいて色を出していた』みたいな

全く『別の方向から始めた』んです。

 

『UV』で『好きなようにファイルを設置できない』で

一度、完全に3Dをやめています。

 

でも、もう一度頑張って

3Dの本を買ってみました。

それでも、その時点で『ポリゴン・UV』を『知らない』ので

意味不明です。

 

あの時代はネットにも

そんなにたくさん3Dの記事はありませんでしたし

『検索魔』になれるほどネット記事はなかったんです。

『書籍』しか『信用できる資料』がなかった時代です。

 

 

もちろん、ネット検索もやりましたけど

その記事では、今から考えると

とんでもなく面倒臭い方法を使ってやってました。

 

他の方法も、あの当時あった筈だと

今なら思いますが、そういう『面倒臭い方法』しか

ハウツーが公開されてなかったんです。

びっくりですよね。

 

『ハウツーを作れる人』が『ヘタだった』んです。

 

そして、簡単に言うと、

この刀を作るために、大きく七回、造り直しています。

細かい造りなおしなんて、

100回を越えるんじゃないでしょうか?

 

 

小説の書き方について、晶山嵐が残念がっている
晶山嵐

ああもう無理!

やっぱり私に3Dモデリングなんて無理!

 

 

そう自室で叫びながら、発狂しそうになりながら

それでも、『もう一度やってみよう!』と

『何度も再開』しました。

 

小説の書き方について、晶山嵐が残念がっている
晶山嵐
三日坊主も四回やれば10回分の経験にはなる!

 

とくに、アメリカの会社に申請してからは

半年で12回ほど却下されてマジ発狂寸前。

二回も捻挫したのもあって、

体力もじり貧。

 

でも、申請通したい!

このデータを販売したいんだ!

だって、『日本刀のデータとしては価値があるはず!』

絶対売れる!

 

そう思ったけど、大却下で

プロジェクトそのものが削除されました。

でも、その10カ月後、全部作り直し、再申請して

今度は10日で通りました。

 

あの頃の『発狂仕掛かっていた自分』の気持ちは

今でも覚えています。

 

『作家になりたいのに評価されない!』というのも

そんな気分ではないかと思いますよ。

 

ただ、私のほうがしんどかったと思いますw

だって、英語だもの!(キュピーン!)

 

私は、英検を数年前に受験しましたが100点でしたからね!

『英語ができる』わけではないのですよ!

 

そんな英語力で、アメリカの会社と

データ販売の折衝をするとか

本当に『死に物狂い』でした。

 

『死ぬ気でやれよ、死なないから』

その言葉が頭をぐるぐる回りましたね。

 

 

小説の書き方について、晶山嵐が残念がっている
晶山嵐

大丈夫。

肉体的にはしんどくない。

 

お遍路で四国を回って、

山を登って過呼吸をおこしたときに

吐きながら、泣きながら、ビニールを口に当てて

肺が痛いほどゼイゼイした。

 

あの時程つらくない。

あの時より今、何倍も楽だ!

身体的に楽だ。

 

困っているのは精神だけだ。

精神だけなら、死なない。

 

どこにも転落したりしない。

落ちて死んだりしない。

 

私はベッドの上で安定してキーボードを叩いている。

大丈夫、死なない。

 

死なないなら頑張ればいい。

数をこなせばいい。

 

最悪、この日本刀を1から造り直してもいいんだから。

逃げ場はある。

 

大丈夫!

さぁやれ私!

 

足をくじいていてもパソコン作業はできるだろう!

一日に10回ぐらい、こんなことをつぶやきながら

本当に、幽霊みたいになってました。

 

それだけやっても、

半年後にプロジェクト棄却ですからね!

『プロジェクト棄却』って

『日本刀の申請を受け付けましたが

 半年かかって12回以上リテイクしたのち

 受理基準に達しなかったので

 この日本刀自体の申請を抹消します

そういうことだからね。

 

ショック所の話じゃないですよ。

ちょっと、燃えつき症候群にもなりましたよw

担当さんにも

『半年もかかったからどおしてもとおしたかったけど、上

 司がもう無理って言ってる』って言われました。

 

 

でも、復活!

現時点でも、アメリカで、どんどんこの日本刀は売れているのです!

やっぱり、『売れる』と思った私の考えは間違ってなかった!

フォーーーーーーーーーーーッ!!!ヽ(´▽`)ノ

 

 

あきらめなければいつか勝つ!

 

こうやって

  1. 小さいところで数をこなして
  2. 小さい成功体験を積み上げ
  3. 小さい時に失敗をかさね
  4. 大きなプロジェクトで『失敗要因を排除』すると
  5. 大きく成功しやすくなる。

こういうことです。

 

この日本刀では『大きく成功』はしてませんけど

『初の成功』です。

 

3Dでは『最初の大きなプロジェクト』だったので

この限りではありませんが

『小説を書くこと』に置いて私は小さく何度も失敗してきました。

 

『商業誌も四冊しか出てない』ことを考えても

『商業誌は継続に失敗』したのですから。

 

本当なら三冊で見切られるはずが

もう一冊ねじ込んだだけでも

凄いことだったと思います。

 

多分、プレゼンはうまかったんでしょうね。

同人誌で10年以上チラシを作ってきたからかなw

『自分の売り』は分かっていますから。

 

 

もちろん、これはあくまでも『私のやり方』ですけど

完成稿の小説を初心者がいきなり書いて

いきなりヒットは、99.999999%なりません。

 

そもそも『最初から完成稿を書く』ことがプロでも

達成度は低いです。

そんなものに初心者が取り組んで

達成できる確率は限りなくゼロなんですよ。

 

急がば回れ。

 

小説をテキトーに『書き切る』ことをしてから

推敲して『面白いものにしていく』のが

結果的に速いです。

 

『推敲を楽しむ』ことをすると、

小説はよりよく育ちやすいです。

 

是非『小説を発酵・熟成させる』という『工程』を

楽しんでください。

 

 

『ハンターハンター』のジンも言ってます。

『道草を楽しめ』って。


HUNTER×HUNTER モノクロ版 32
 170頁。

 

最短距離がわからないときは、道草を楽しんでいきましょうヽ(´▽`)ノ

 

まとめ。

『小説を書く』ことは『大学の入試』とは違います。

『一発合格を狙うもの』ではないんです。

 

『小説は一発勝負!』のものではないのです。

何十発何百発打っても良いのですよ。

その数だけ『うまくなる』のですから。

 

あきらめない限り、上達は続くので

気長に取り組みましょう。

 

 

『小説は育てるもの』だと『見方を変える』と楽になりませんか?

 

大理石の彫刻を作ろうとすると『削りすぎ』は『失敗』です。

 

でも、小説は『石膏象』みたいなものです。

減らすのも増やすのも、粘土の量を変えるだけなんですよ。

 

この部分気に入らないから右手全部切り落として

翼をつけてみよう。

そんなことができる石膏象の作り方と

小説は一緒なのです。

  1. 最初に書けるところまで『書き切る』。
  2. 書いたものを削る。
  3. 気になった部分を付け足す。
  4. 最後に一括置換などで修正する

この四つの『道具』をうまく使えば、良いのです。

 

削ること、付け足すことを『だめだ』と思わないで。

『育てる』のですよ。

 

キャラクターたちが動きやすいように道を作って上げて

キャラクターたちが喋りたいようにセリフを入れていくのです。

 

『あなたが神になる瞬間』を楽しみましょう!

 

【この記事を書いた日 2022/12/14 10:47 】

 

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