【小説の書き方】プロットは必要か?

小説の書き方
 
 

小説の書き方に関して、アスクからの質問。

 

既に何度も出ておりますがプロットについてお話を伺わせて下さい。

こういう話を作ろうと思いつかれてから執筆に至るまでの、

晶山さんの流れを語っていただけますか?
プロットを最初に起承転結ぴっしり決めなくとも大丈夫なんではないか…と最近思い始めています。

が、

他の皆様がどのように書かれているのか気になっております。

 

小説の書き方に関して、晶山嵐の回答。

他のみなさまは分かりませんが

私がプロットを書く時のお話をいくつか。

プロットを私は滅多に書きません。

『私の場合』は下記記事でどうぞ。

小説書いてるときの私の脳味噌を観察してみた。 | BL作家 晶山嵐の日記

主要キャラの性格って、私が決めるんじゃなく、そのキャラが勝手に動くから

別に、どんな性格、とか私が『決める』ことってないんですね。

 

脇の人達なら、

  • 主役のこういうところをサポートする人だからこういう性格で、とか
  • 主役のライバルだから、正反対の性格で、とか
  • キ○ガイだから、意味不明で、とか

あるんですけど、

主要キャラは『俺俺俺! 俺出せ俺!』って躍り出てくるから

はいはい、わかったよ書き留めるからちょっとじっとして、みたいな

そんな感覚。

 

というか、主要キャラがそうして躍り出てこないと、話しってできないから

書こうとも思わないんだと思います。

 

だから、『書こう』と思った時点で、主要キャラの性格は決まってる。

 

だから私がプロットを作るときってのは

話を作るためにプロットを作るんじゃなくて

溢れるものを忘れる前に書き留めて時系列の整理をするためだけ、です。

  • ワンシーンと話と思いついたけど、今書きたくない、とか。
  • 今書く時間無い、とか
  • ちょっと長くなったから時間整理しとこう、とか
  • 編集さんに提出するからプロット書く、とか

そういうのじゃないとプロット書いてないですね。

↑こういう状態なので、プロットは普通は書かないです。

 

↓ここでもプロットについて言及していました。

【小説の書き方】時系列にそって地位を整える。 | BL作家 晶山嵐の日記

このシリーズのラストはもう決まってて

そのラスト一本前ももうかなり書いてるんだけど

そこにたどり着けてないんだ……

  • なんか間にどんどん話ができるんだ。
  • 陸奥とタヌキが結婚するとか、全然無かったんだ!
  • こんな殺伐とした上に、カプがあちこち行く話し、早く終わらせたい。

一番問題なのは、

シリーズ始めた頃は歌仙さん一押しだったのに

大外から同田貫がマイハート一位に躍り出たことだな……

今でも歌仙さんは一押しなんだけど好きすぎてもう恋愛対象ではなくなったって感じw

トップに君臨してくれていればそれで満足!

みたいな。

この話だと、トップの長谷部が常に歌仙さんを気にしてくれていれば満足!

 

もともとは、長蜂の友人のために書いたものだったけど、

歌仙さんの謀叛書いた辺りで開き直って歌仙さんをメインに据えたうえに

なにげなく『陸奥がよく折れる』って書いてたのが伏線になって

が進んでしまったという。

 

こういう、『長丁場になるもの』は

書いたあとからでもプロットを作ると

『自分が分かりやすい』という意味でよいです。

 

そういうプロットは是非した方がよいと思いますが

あなたが混乱しないのでしたら不要です。

 

普通に書いただけで10万文字がするっと書けるのに

『小説を書くならプロットをかかなきゃいけないんだって!』みたいな

あと情報で、わざわざ遠回りをする必要はありません。

 

 

小説は後から書き直しがいくらでもできます。

このブログでも何度も書いていますが

小説はテキスト情報の集まりですので

『書き方』になんの作法も、順番もありません。

絵のように、『必ず構図を先に決める』必要もありません。

ネタをネタとしてだけ書きためておいて

あとで、話しに合うようにそれを継ぎ接ぎしても

全然かまわないんです。

あなたが書きやすい方法で書いてください。

書きにくいな、と思ったときに初めて

人の書き方を見て、一つずつまねしてみて

あなたにあった方法を見つけてください。

 

プロットを書くことで出てくる問題。

プロットを書けば、そりゃ、小説本文は迷いなく書けるでしょう。

もう、骨子ができていますから。

 

ですが、プロットが書けなければ、

小説が書けない、という事態になりますよね?

 

今度は、プロットが書けない、ということで、

迷うことになります。

『小説が書けない』としても

文字が少しでも出るのでしたら、

それで、ちょっとずつ『本文ができていく』のですが

プロットができない場合に

プロットが少しずつできても

『小説本文はできない』んですよね。

 

 

プロットを書くのにも時間がかかる、ということを

覚えておいてください。

 

テキストを打ち出すのですから、相応の時間がかかるんです。

書いても、小説本文は進まないのに。

 

プロットを書く時間があるのでしたら

その分、本文を書くのを、私はオススメします。

プロットを書かなければならない場合。

プロットを書かなければならない場合というのもあります。

  1. 完璧な小説を書きたいと焦っている場合。
    1. やりなおしをしたくない場合。
  2. 構成を先に考える場合。
  3. 商業作家で、編集さんにプロットを提出しなければならない場合。
  4. 長い時間をかけて書く場合。
  5. 話の要点を覚えていられない場合。
  6. 小説の中の時間経過が複雑なもの。

↑一番以外は、必要不可欠です。

 

一番は、自己満足ですので、

こういう理由でプロットを書くなら

本文を書いてください。

 

 

『完璧な小説』というのはどこにも無いです。

 

 

それを目指したら、一生書き上がりません。

なぜなら、あなたは日々進歩しているからです。

 

去年書いた小説を今年、下手に感じるのは

あなたが進歩しているからであって恥ずべきことではありません。

 

昨日より、今日、あなたは進歩しているはずです。

 

ですので、昨日は『完璧な小説が上がった!』と思っても

今日は、一日分の進歩で、それが完璧には見えません。

 

あなたの進歩が著しい場合、

公開するまでに一週間あったら、すでに色あせて見える可能性が高いです。

『完璧な小説』なんてものを、目指さない。

 

最初から無理です。

 

目指すのでしたら、先に定義をしてください。

 

 

 

『私にとっての完璧な小説とは?』

  • 誤字脱字が絶対にない。
  • 話しに矛盾がない。
  • 締め切り時点で、完璧だと思った。

 

 

これぐらいを『完璧』というのでしたら、可能です。

 

ただ、『自分一人で誤字脱字をなくす』というのは

小説が長くなればなるほど難しくなります。

 

商業誌の編集さんでも誤字脱字で印刷に回すことがあります。

プロでもそうなんです。

 

それを素人のあなたが完璧にこなそうとするのは

相当つらいことになります。

 

10万文字の中の一文字の誤字を修正するために

一週間掛けるなら

とっとと公開しちゃってください。

 

絶対に、その一週間で

小説は色あせて、面白くないように感じて

書き直しをしたくなります。

 

なぜなら

『自分の小説に飽きる』からです。

 

どんなに面白いものでも『飽きた』らつまらなく感じます。

 

つまらなく感じたら、もう公開するのはいやでしょう?

 

実際に面白い小説なのに

あなた一人が誤字脱字修正のために何十回も読み返して

飽きてしまったから、『面白くない』と断定する。

 

こんな無駄なことはありません。

とっとと公開してください。

 

構成を先に考えて書くなら、プロットは必要。

構成を先に考えてから書く人は、必須行為ですね。

 

私は、構成から考えることは少ないので

プロットはまず書かないので

まずプロットを作らなきゃ!

というかたの気持ちは、真には理解できません。

 

短い小説にプロットは、普通は不要。

3000文字ぐらいの小説を書く場合にはまずいらないです。

 

と、私は思いますが

それも『話の要点を覚えていられる場合』ということです。

 

『長い時間』というのも、『あなたにとって』です。

 

3000文字ぐらい小説しか書いたことがなければ

3000文字の小説は決して『短くはない』ですよね。

 

どんな『基準』も、『あなたにとって』ですので

あなたにとって必要だと思ったのなら、やってください。

ただし『みんながしているから』という理由ではしないでください。

時間の無駄です。

 

あなたが見つけた『みんな』というのは

たまたまツイッターやネットで見つけた『誰かの意見』です。

 

『みんな』というのは、普通は3、4人のものです。

 

ネット上の意見を、数を数えて統計を出して

『これが多数派』と言える人は少ないです。

 

あなたの目についた意見で、

3人ぐらいが同じことを言ったことが『みんな』です。

 

そこを理解してください。

 

『みんな』とは『誰』なのか?

ネット上で『小説の書き方』について論じられていますね。

 

その『書き方を書いている人』が『どんな作品を作るのか』知っていますか?

 

このブログを書いている私は、

20年以上同人小説でご飯を食べてきた。
最高、一年で100頁以上の同人誌を一年で33冊書いたことがある。
通販、227冊以上自費出版で小説本を出しました。
オリジナルBL同人小説でプロにスカウトされて商業誌を三冊出した。
アマゾンで、今も商業誌も同人誌も販売されています。

こういう経歴を持っています。

 

ツイッターや、他の『書き方のサイト』で

あなたが見た『小説の書き方』は『誰』が書いていますか?

 

チェックすべきは

『あなたより小説の書き方が上手い人』ですか?

ということです。

 

 

あなたより下手な人が書いている『小説の書き方』って

あなたには99%有益ではない、ということを知ってください。

 

名選手必ずしも名監督ならず、でその逆もあります。

 

自分では実行できないけど、ハウツーを思い付く人というのはいます。

私のように、ハウツーまとめるのが得意な奴もいますw

 

ですが、大体の場合は

ハウツーを出している人の、元の実力は見ておいてください。

 

そして、一番大事なのは

ネット上の大多数は『初心者』だということです。

 

当然ですよね?

 

どの分野でも、初心者が圧倒的に多いのですから。

 

あなたが参考にしているその小説の書き方は

初心者のものではないですか?

 

初心者のハウツーでももちろん良いですよ。

 

初心者が悪いと言っているわけではないのです。

『あなたにあっている』のでしたら。

 

でも、その方法だと巧く書けないけど

『誰かがこれで書ける』って言っていたから

もうちょっとこの方法を使ってみよう

とか、

その方法が初心者のものでしたら

それを書いた初心者も『書けていない』可能性があるのです。

書けていない人のハウツーをまねするのは

時間の無駄だと気づいてください。

初心者でも良いですから

せめて本人が、ガシガシ書いている状態であることは確認してください。

 

あなたができない部分をできている人のハウツーをまねしてください。

 

これ、基本原則です。

 

最低限、『小説を数本書き切った』人であることは確認してください。

 

私は、七年間で、270冊の同人誌を出して

スカウトされて商業小説本を四冊出していただきました。

 

ですので、私が書いていることは

『小説を書ききった上で、商業誌に認められた小説家の方法』です。

 

これが全部とは言いませんが、

実用に達して、商業小説として通用した小説家の書いているハウツーです。

 

 

私も、小説を書いているときは、

小説のハウツーなんて書く気はありませんでした。

 

まず、自分が小説を書くのに必死になっていたというのもありますが

自分の書き方を振り返っている余裕はありませんでしたから。

 

今、3D業界にシフトチェンジしたことによって

『他の業界から』『小説の書き方』を振り返ることができたから

こうしてハウツーにしているのです。

 

↓私が作っている、3D用のブログです。

Create3D-3dCG制作作業日記

↑こちらではペンネームを『天川和香』としています。

 

たまにツイッターで天川和香のをリツイートとしているのは、私の発言だからです。

 

話を戻します。

 

あなたが買った『小説の書き方の本』の作者は

小説家として大成した人ですか?

 

そして、いろいろなハウツーを渡り歩いて下さい。

 

最初に見つけたハウツーに固執しないでください。

 

野球で、右バッターとしてはさえなかったけど

左に変えたら凄く飛んだ、とか

ある話です。

 

あなたにあわないハウツーを使っていても、あなたは伸びません。

ですので、私のハウツーも、耳半分に聞いて

できるところだけまねして、たくさんの人の話を聞いてください。

 

そのさいに、小説の力量、小説家を育てた力量がわからない人の話は

二の次にしてください。

 

はっきり言うと

誰かの意見にいちいち左右されないで下さい。

 

私がこのブログで書いている方法は

『私が書きやすい』方法です。

 

ただ、『普遍的に書きやすい方法』というのはあるんです。

  • 書いてる途中に読みかえさない、とか
  • 書いてる時に誤字脱字をチェックしない、とか

そういう基本的なことです。

 

そのことを中心に書いています。

 

 

 

話を大きく戻します。

構成を覚えていられない場合にもプロットは必要。

長い時間をかけて書く場合はプロットを作っちゃってください。

話の骨子を忘れて、小説を書けなくなるよりはよっぽどましです。

 

私は基本が、16万文字(同人誌200頁)ぐらいの文字数で

小説を書いていましたので

それぐらいなら、大体はプロット書かないです。

 

さすがに、200頁の本をシリーズで7冊出したら

どの本で誰が何を言っていたかはメモします。

 

これは、私が、200頁の本を七年間で100冊以上出していて

『その長さになれている』からです。

 

『構成を覚えていられない長さ』というのはあなたの主観なので

それはあなた自身が把握してください。

 

そして、そういうところで、

何頁以上は、とか言う人は信用しないでくださいw

 

その人の主観で何頁、という場合は良いのですが

ハウツーで、何頁以上は、とかいうのは、無理です。

 

脳味噌みんな違いますから。

小説の中の時間経過が複雑なもの。

これは、私も確実にプロットを作ります。

 

下記は私のプロットの作り方の一つです。

時間軸を管理することはスプレッドシートを使います。

 

ネット上で無料で使えるエクセルのようなツールです。

エクセル持っている人はエクセルでやってください。

 

私もエクセルは持っていますが、

エクセルを起動させるのがめんどいのでスプレッドシートを使っていますw

 

エクセルは、フィルタにするのが一手間いるので

ワンアクションで昇順ソートができるスプレッドシートの方が

私は楽なのです。

 

まとめ。

プロットは、小説を書くときに必ず必要であるわけではありません。

 

プロットを書いている時間が無駄だと思ったら

すぐにやめましょう。

 

時系列がこんがらがっていたり

人間関係がこんごらがっていたりと

あなたが混乱するのを整理整頓するのがプロットです。

 

  • 編集さんに提出するとか
  • 第三者と関わって小説を書いているときは

必ず必要です。

 

それ以外は、無理やりプロットを書く必要はありません。

 

プロットができたからと言って、

小説が書き上がる保証はどこにもありません。

 

プロットを書く時間があったら、小説本文を書いてしまいましょう。

 

本文が書けなくなったときにプロットを書いても

遅くはありません。

 

 

【小説を書くために】プロットを書く必要は全くないです。

でした。

エンジョイ! & サンキュー♪

晶山嵐

 

質問者さんらの後日談

アスクでお礼をいただきました。

 

プロットについてご質問させていただいたものです。

ご回答ありがとうございます。

オフ本用なので最初にプロットを立てなくては…と

固執していましたが、

晶山さんのアドバイスですごく気がラクになりました。

自分は、オフのためと言いつつも

「1、完璧な小説を書きたいと焦っている」で、

プロットを完璧にしようと固執していたようです。

 

一先ず本文を書いて、書き終えてから、

何度でも何度でも手直ししようと思います。

前作ではそうしていたのですが、
間が空くと忘れてしまうのですね…

大変失礼しました。

晶山さんのaskやブログで

「小説は何度でも書き直していい」

「小説はもっと自由なもの」と

気づかせていただいてから、

自分の書き方は変わりました。

それまでは「冒頭から順を追って書くべき」等に
固執していました。

そんな決まりは無いのに!

プロットや小説の書き方関係の本は
20冊は読みましたが、

晶山さんのaskやブログは、
それよりも何よりも有益でした。

感謝しています。

 

ありがとうございます!

そうなんですよ♪

小説って、凄く『自由なもの』なんですよ♪

 

楽しんで書いてくださいませ~♪ヽ(´▽`)ノ

エンジョイ! & サンキュー♪

 

【この記事を書いた日 2017/08/27  6:12 】

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