小説を書く手順を、私が思いつく限り一覧にしてみました。
- ネタを思いつく。
- メモする。
- ネタを膨らませる。
- メモする。
- 資料を集める。
- どこのナニが自分の小説の資料なのか、メモする。(付箋や、外部メモなど)
- 世界観を整える。
- プロットを書く。
- 第1稿を書き始める。←← ここで初めて、小説と向き合う。
- 資料を集め続ける。
- プロットに修正があったら、更新する。
- 第1稿を書き終わる。
- 資料を集め続ける。
- 第2稿にかかる。(構成の見直し)
- 資料を集め続ける。
- 第3稿にかかる。(細かい見直し)
- 資料を集め続ける。
- 第4稿にかかる。(誤字探し)
- 資料を集め続ける。
- ……
- ……
- 完成原稿を完了させる。
- 資料を集め続ける。
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↑これで言うと、『小説を書き始める』ってのは、9番目の作業になります。
『小説が書けない』と言っている人は、その9手の作業を全部無視している気がしたので特筆しました。
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ネタも無い、世界観も膨らませていない。
そんな状態で小説は書けません。
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■手順の細かい説明。
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●資料を集め続ける。
資料が必要ない場合は、これは全部飛ばして大丈夫です。
完成原稿を上げたあとでも資料を集め続けるのは
『続き』を書く可能性があるからです。
新しい技術が出てきたら、次の話では『新しい技術が出た』だけで1ネタできます。
自分が手がけた分野はそのあとも資料を集め続けると、
続編を書くときにとてもラク♪
ただし、リアル資料が『絶対』なのではないです。
「『あなたが書いた小説の神』はあなた」 なのですから、「この世界にこの技術は必要ない」と
切り捨てることができます。
小説の大筋に邪魔な技術は無視してもいいです。
そのことによって、その世界観が壊れない限り。
SF世界を描いているのに、『機関銃があると簡単に人が殺せて不都合』とか言う場合
『この世界の空気は特殊で、連射すると空気密度が変わって爆発を起こす』
とかいう説明をつけて小説内で納得できるようでしたら
近未来でも、『機関銃』の無い世界を作ることができます。
「『あなたが書いた小説の神』はあなた」 というのは、このレベルで神なのです。
『統一』さえしてしまえば、その世界は成立します。
そのかわり、当然のように、他にも『続けざまにぶつかる』ものは全部、その小説では描けません。
蒸気機関を通り越して、いきなりソーラーシステムを作ってしまった世界があってもいいでしょう。
鉄が無い世界を作るのもいいでしょう。
『説明ができるのならば』何をしてもいいのです。
その『説明をするだけの技術力』が必要だから、資料がいるのです。
前述の、機関銃の無い世界では、
- 崖崩れがおこるとその一帯が爆発するでしょう。
- 水でも爆発するのならば、『滝』は一切無いですね。
- コップに液体を注ぐときも、『衝突』が無い注ぎ方が確率されているはずです。
- 『声』すら、『空気の振動による衝撃』となると、音のない世界になってしまうかもしれません。
- 金属は爆発するけど、水とか空気は大丈夫。
というなら、日用品に金属は一切使えなくなりますね。
金属自体が爆発物として分類されるでしょう。
じゃあ
- 『砂鉄』はどうなる?
- 砂場の砂に金属の粉が混じってたらどうなる?
- 砂鉄を溶かした液体はどうなる?
- 血液の中の鉄分とかはどうなる?
- 岩の中に鉱物があったらどうなる?
間違いなく、一般人が金属の銃を携帯することはできない世界になります。
殆どのエンジンには金属が使われています。
- それらをどうしましょう?
- 金属より硬いプラスチック(新素材)がある?
- その硬いプラスチックはなぜ爆発しない?
こういうことを一貫して説明できるのなら、どんな世界でもいいんです。
これを描くためには、
じゃあ、日用品で金属が使われているものは何がある?
ということを咄嗟に答えられないといけないですね。
それらが無い世界を描くわけですから。
資料はいくらあっても良いです。
そしてここで注意したいことが一つ。
『資料を覚える必要は無い』ということ。
たくさん資料が必要だと感じた瞬間、創作を断念される人を見かけます。
資料を集めるのも大変で面倒、というのもあるのでしょうが
『資料は記憶しなければならない』と思っている人がいるように見受けます。
資料はざーっと読んで『こういうことがあるんだな』と『理解』すればいいんです。
絵の資料ならば当然図版が必要ですが、
その図版を見ながら描けばいいわけで『記憶』する必要は無いです。
大体、描いているうちに自然と覚えるでしょう。
無理矢理『記憶しよう!』と思わなくてもいい、ということです。
これだけでも資料を集める敷居は下がっていませんか?
アインシュタインの相対性理論を知らなくてもGPS端末は扱えますし
エンジンの仕組みを知らなくても車の運転はできます。
資料というのはそういうもので
- その資料の意味がどうであるか、
- それをあなたが記憶しているかどうかは
小説には関係ないです。
資料によって『これはこうなんだ!』とあなたが『知って』いれば小説は書けます。
理解していればもっと深い小説が掛けるでしょうが
大体の資料に『深い理解』は必要ないです。
大体の『資料』なら↓このレベルで出てきます。
そこでわからない部分を専門書に頼ればいいので
最初から、資料を買うためのお金がない、という状況は避けられます。
さらっと膨大な資料を入手するのが、小説を書きやすくします。
小説の中で掘り下げて必要な部分だけ専門書を導入すればいい。
他は『知っている』だけで小説は分厚くなります。
あくまで『言われたらああ、あれ』って言うレベルで『知って』いればいいのであって
クイズ番組に出られるぐらい『記憶』する必要はないです。
ただ、記憶するに越したことは無いですが
うんうんうなって記憶する手間を掛けるなら、さらっと読んで小説を書きましょう。
どの資料が小説に必要かなんて小説を書くまではわかりません。
見当違いの部分を『記憶』しようとして努力して
記憶したんだからそれ使いたい、と本末転倒にならないとも限りません。
(それで良い小説になればいいですけど)
『あとから』やればいいのです。
- ここもうちょっと専門的に書きたい。
- → その部分を飛ばして先を書く。
- 誤字探ししなきゃ!
- → 完成してからやればいい。
完成してしまえば、『その部分に専門的な文章』が必要かどうか、わかります。
必要ないと判断すれば、資料を見る必要もないです。
特に『誤字が無いように小説を書く』というのは不合理です。
『誤字』はあなたが馬鹿だから発生するものではないです。
- その寸前に別の単語をあなたが使ったから変に変換された。
- 誤打鍵したから変な文章になった。
だけの話であり
どちらもケアレスミスです。
何度も書いているように
『作品は発表する寸前に最終見直し』をすれば良いのであって
小説が完成していないのに誤字探しをするのとかは、無駄です。
だって、そのあと加筆したら、また誤字探しが必要になるでしょう?
『あとでやればいいこと』『先にしなければならないこと』をわけましょう。
『完成稿』にするのは『あと』でいいのです。
最初にも書きましたが、
ネタを思いついて小説を書くまでの間に、『わからないこと』がないのであれば
資料をあさる必要もありません。
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■メモする。
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とにかくメモです。
喋る前にメモです。
メモがあなたの小説家人生を救います。
『小説を書くためのメモ』は↓これで書いた、『思いつくためのメモ』ではなく
レビューはこまめにする。小説家を目指したいなら、特に。 | BL作家 晶山嵐の日記
純粋に、『備忘録』です。
思いついてもメモしなかったことって、本当に忘れてます。
●資料メモについて。
ここで言う『資料メモ』は資料の中の『一部』を扱っているもので
中国のことを書くから百冊前後の中国の本を全部読んだとかには適用されません。
小説を書くためにそれだけの本を読むようなかたは、もうとっくに小説を書いているでしょう。
●資料メモをする場合、
普通『付箋』とかはって、必要なページだけくわけていることでしょう。
でも、一ページがこれだけある場合↓(画像はテキトーです)
全部小説に必要ですか?
いらないですね。
必要な部分だけマーキングしているとしましょう。
こういうことも『本が汚れる』と言って、いやがる人がいますが
やってしまいましょう。
こんなのはナレです。
- あなたの小説のために買った資料なら
- あなたの小説のために適切に管理しましょう。
それは『綺麗に保存する』のではなく、どこに何を使ったのか、を明記するということです。
本を古本屋で売ることを考えている場合はしりません。
在庫のある本を古本屋やオークションで買われることほど作家にとって痛い行為は無いです。
印税が入りませんからね。
今から印税で稼ごうとする人が、
他の作家に印税が入らない購入方法を推進するのはどうかと思いませんか?
他人の印税を阻害した分だけ、あなたの印税も阻害されるでしょう。
お金が無い?
なら、他のことで倹約しましょう。
お金が無いのはあなただけではありません。
それでも小説を書いている人は書いています。
小説の資料を買いたいけど『お金が無い』という人の理由は
- その資料が本当には必要でない。
- 小説を書くことが他のことより順位が下がる。
- 本当にお金が無い。
この三点で、ほぼ、真ん中の理由です。
そりゃ下がるでしょう。
まだ小説を書いていなければ、それでどれだけ自分の人生が変わるかわかりませんから。
その場合は『資料ほしいけど買えない』ではなく、
『資料はほしいけど、そこまでほしくない』と考えましょう。
あなたが『そろえるべき』資料などというのは存在しません。
あなたが、その資料が必要な部分を削除すれば、資料は必要ありません。
あなたがその部分を専門的に書きたいから、資料が必要なのです。
『あなたがしたいこと』のために資料が必要なのです。
二の次にしていいことかどうかは判断してください。
ただ、覚えていると良いと思うのは
二の次にした作業は、二の次の成果しか上げない
ということです。
あなたの小説に必要なことが最前です。
小説に掛ける費用(時間、金銭、集中力)をけちるから、小説が仕上がらないのです。
資料に何十万円使わないと小説が書けない、といっているのではないです。
入手した『資料』に自分のマーキングを残すことを厭うな、と言っているのです。
あなたのものをあなたが使いやすいようにして誰に迷惑がかかりますか。
あなたのものをあなたが使いやすいように使わないことが、あなたにとっての迷惑でしょう?
当然、図書館の本などにマーキングするのはダメです。
『自分のもの』でしてください。
↑の資料のメモでも不足です。
↓ここまで書いておくべき。
- 次も使う資料なのに、最初の小説で汚すの嫌。
- 次も使う資料なのに、前の小説の情報が残るのはどうなの?
ならば断言しましょう。
だから、あなたには独創性がないのだ、と。
いくつの小説で同じ設定を使うつもりなんですか、と。
ついでに言うと、『次』を想定しているのがムダです。
『今』の執筆に精根かたむけましょう。
こうしてメモしてあれば
前にあの小説で使ったから今回はちょっと変えよう、って指針になります。
共通して何度も使っているなら、それはよほど大事な資料ですから
別の専門書を買うべきかもしれません。
資料を見たときに、付箋を張ってる、マーキングしてるだけなら
「これって何のナニニつかったんだっけ?」となることがあるでしょう。
そこで『思い返す時間』がムダなんです。
以前にどのように使ったのかを思い出せれば、その文章をそのまま引用できるかもしれないでしょう?
その時にするメモなんて数秒です。
その数秒をケチるために、あとで『思い出す』という作業に数分~数時間掛けることになるのはムダです。
見返さない本なら、書き込むことになんの遠慮がいりますか?
『本を傷つけない』方向で言えば、
写真にとって、その写真にメモし、その本にはさむことですね。
写真をパソコンに取り込んで一元管理するのも当然ですけれど
『本』の方に『この資料を使った』証拠を残すのが最大の目的です。
『資料の本』と、『飾っていて楽しい本』は別です。
資料である限りは検索性が必要です。
時間は有限です。
こういうところでムダ時間を使わないようにしましょう。
あなたの脳が考えるのは小説のことだけでいいんです。
前にこの資料をどこで使ったっけ? なんていう
『メモしていれば考えなくて良かった時間』に、頭を使うことはありません。
それと『本に書き込む』ことが『本を汚す』という観念を捨てるとラクになります♪
あなたの意志をあなたの本に示すことが『汚す』ことであるとあなたが考えている限り
あなたがどこかに書いたメモは『紙を汚したインクの無駄』になります。
あなたの脳から生み出されたテキストは、
すべて価値を持つのです。
それが、どんないたずら書きであろうと。
その瞬間にあなたがそれを『思いついた』証拠なのですから。
小説家というのは、文字を売って喜んでいただく商売です。
『文字-テキスト』を軽んじてはいけません。
『メモ』は外に出たあなたの『発想力』なのですから。
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私は『本を大事』とは思わないので、よく本を破ります。
本に載っている『情報』が大事なのであって
本自体は紙の束です。
紙の束は扱いにくいです。
だから、自分仕様に変形させます。
3dでスカイハイの服を作ったときに、
TIGER&BUNNY公式原画集のスカイハイの部分だけページを切って
デスクに貼った。
そして、裏面とか必要になったときのために、同じ本をもう一冊買った。
案の定、切り取ったスカイハイの部分だけが無くなった(笑)
あんなボリュームのスクラップ、捨てるわけないのに見つからないのよねぇ……
誰にでも『本を千切れ』と言う気は無いです。
『資料』 と 『傷つけてはいけない財産』は別だと認識した方が
資料を扱いやすい、ということです。
それと、資料はできるだけ一次リソースに近いものを漁りましょう。
ツイッターで誰かが呟いていることを鵜呑みにするのではなく、
できればそのことがらを検索して、最初の記事を探し出しましょう。
その方がコアな情報を入手できます。
特にツイッターは、リツイート自慢のために、他人の良い記事を自分のツイートだと
盗作する事件が増えています。
そのツイートのテキストで検索すれば、すぐに元ツイートや記事が出てきますから、
そちらをまだ、信用しましょう。
盗作ツイートをフォローしたりリツイートしたりするのは、盗作の手助けをしているようなものです。
作品を作るあなたがして良い行動ではないですね?
自分の作品が盗用されたことを考えてみてください。
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■第一稿、第二稿、第三稿……
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『小説が書けない病』で、私があったことがある人たちはみんな
『完成稿』を最初から書こうとしていました。
それは無理です。
私は、あのレベルの小説で、めっちゃ書くのが早いですが
それでも、最初から完成稿なんて書こうと思っていません。
そして、私は実際に、こんなこまかいことはしていません。
同人誌で出したような小説でしたら、
↓こんな感じ。
- ネタを思いつく。
- 第1稿を書き始める
- 資料が必要なら探す。
- 何度か読み返して文章を整える。
- 誤字探しをする。
勿論、商業誌レベルではないからできることですが
最初に『数を稼ぐ』ための小説はそれぐらい気を抜いていないと『続かない』でしょう。
初めて書いた小説で一躍名を上げたい!
というのは、わかりますが、
あなたがすでに有名人でない限り、それはほぼ夢で終わります。
『初めての本で賞を受けた』人がいるのは
本になったのが初めて、ということで、
『初めて書いた小説』ではないです。
だから、まず数を書きましょう。
数を書くためには、『完成稿』などを最初から目指して書かないことです。
完成稿は、一度、最後まで小説が書けてから考えることです。
書く前に考えることではないです。
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それと、最初に書き始めてから大きく構成を変えることは、私はまず無いです。
なので、構成を熟考することも、私は無いです。
なので『構成で小説が変わる』というのは理解できるのですが
私には説明できないんです。
『構成』を考えて書いたことが無いから。
askで質問されてからずっと、どうやって説明記事を書こうかと考えてるんですけど
いまだに説明する方法を思いつけずにいます。
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すぐ仕上がりそうな小説(pixivにupするだけとか)なら、
ネタを思いついてちょちょっとすぐに書いてしまうので
ネタメモ自体を私がしていません。
大体、ネタを思いついた一時間以内に書き始めて、
一両日~数日で書きあがりますから。
前にもどこかの記事で書きましたが
二週間以内に完成するような小説でしたら、
プロットとか考えなくていいです。
ぱっとやってしまいましょう。
『赤狼』シリーズのように、話がでかくて、すぐに小説にならないようなものは
とにかくすぐにメモして、エロネタでなければ、友人にメールで送りつけます(笑)
(ごめんね友人)
それで反応が無くても合っても、メールでネタを思いついた時間が記録されますし
反応があればラッキー♪
話を戻して。
小説を書いている間は、誰に見せるわけでも無いのですから好きなように書いたらいいんです。
発表する前なら↓こんなことになってたっていいんです(笑)
体裁を整えて書こうとするから書き始められないんであって
小説を書くことに、決まった手順なんてありません。
わざわざ、仰々しく↓これを書いたのは、
突然、完成稿が書けると思うな、という意図です。
- ネタを思いつく。
- メモする。
- ネタを膨らませる。
- メモする。
- 資料を集める。
- どこのナニが自分の小説の資料なのか、メモする。(付箋や、外部メモなど)
- 世界観を整える。
- プロットを書く。
- 第1稿を書き始める。←← ここで初めて、小説と向き合う。
- 資料を集め続ける。
- プロットに修正があったら、更新する。
- 第1稿を書き終わる。
- 資料を集め続ける。
- 第2稿にかかる。(構成の見直し)
- 資料を集め続ける。
- 第3稿にかかる。(細かい見直し)
- 資料を集め続ける。
- 第4稿にかかる。(誤字探し)
- 資料を集め続ける。
- ……
- ……
- 完成原稿を完了させる。
- 資料を集め続ける。
私はこの一覧を所々はしょりましたが
『はしょった(簡略化した)』だけで
その手順を知らないわけではないです。
初めて小説を書く人は、この手順を知らないから、書けないのだと思うわけです。
いきなり、ネタも無いのに「小説を書こう!」と、キーボードに手を置いたって
一行も書けるわけがありません。
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どういうふうに書いてもいいとは、何度も書いていますが
ネタがないのに書いていい、という意味ではまったくないです。
ネタがなければ書く必要がそもそもないんです。
『書きたいこと』が無い のに 書こうとする のが 間違い なんです。
そういう場合は、見聞を広げることに血道を上げてください。
そのうち書きたいことが生まれます。
- 旅行したのなら旅行記が書けます。
- ヒッキーならヒキコモリ日記が書けます。
- ナニカの専門職(事務でも)なら、専門書が書けます。
『小説』にこだわる必要はまったくないことを、知っていてください。
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小説書けない!病のあなたへ。
でした。
エンジョイ! & サンキュー♪
2015/02/06 12:00