【小説の書き方】最初はざっくり『書いてみる』でいい。

小説の書き方

 

小説の書き方は色々あります。

その人によって『書きやすい方法』というのは千差万別です。

 

ですが、初心者がよくやる『間違った方法』というのは、確実に、あります。

 

その一つが

『最初から「ちゃんとした小説」を書こうとする』ということです。

 

それをしたがる理由もわかります。

有名な「小説家が口述筆記した」という逸話。

 

遅筆で有名な作家が、

「書くのが遅いんだ! 小説はできてる」というから

編集者が口述筆記すると言ったら、

すらすらと小説が出てきてそのまま原稿になった。

こういう逸話、聞いたことありませんか?

 

 

残念ながら

これは、『天才』のやることです。

天才でないとしても、少なくとも

『小説を書く上級者』がやることです。

 

初心者がまねしていいわけではないのです。

 

『口述筆記』自体は、初心者からしていい。

キーボードに両手を載せているという『体勢』は

肩が前によって、そのうち猫背になってしまうので

『体には悪い体勢』です。

 

ですので、半時間に一度ぐらい、立ち上がって、

血流を動かした方が捗ります

集中してるときにそんなこと

言ってられないですよね。

 

今は、スマホで簡単に口述筆記できます。

ですので、『できるのなら』、

『第一稿』を口述筆記してしまえばいいです。

 

『できるのなら』。

 

 

初心者の『書けない』理由はキーボード打鍵ではない。

口述筆記をできるのなら、やってみるといいです。

大体はできないです。

 

なぜなら、

あなたが『書けない』理由は

『キーボード打鍵が遅いから』ではないからです。

 

『頭に文章が浮かんでいない』から『書けない』筈です。

『頭に文章が浮かんでいない』のでしたら

口述筆記しても、言葉は出てきません。

 

 

 

『第一稿』で『完成稿』にしようとする間違い。

『第一稿』『第二稿』という言葉を、

このブログで知ったかたも多いようです。

 

これは別に、専門用語とかいうことではなく

『最初に書いたもの』を『推敲(書き直し)していく』

というだけの言葉です。

 

ですので、

いつが第一稿で、いつから第二稿なんだ?

とか、厳密なルールはありません。

 

ただ、冒頭の『逸話』のように

『口述筆記で即原稿』が『できるのが普通』と考えていると

手でキーボードを叩いている状態でも

『最初に書いたものが完成稿』だと勘違いします。

 

実際、ネット上で書き方を見てると、

そういう勘違いをしている人が見られますし

そういう質問もたくさん受けました。

 

第一稿第二稿に関する私の回答は下記記事で書いています。

【小説の書き方】第二稿に進むのはいつ? | 小説の書き方-プロ作家が答えます

 

 

『ネット小説が普通になってきた今』ではいないと思いますが

同人誌とか、紙媒体が小説のメインの時期にあった勘違いがこれです。

最初に書くときから、一行の文字数と一頁の行数を決めて

見映えが良いように書く。

こんなことしてたら、絶対に進みません。

 

今でも『賞に投稿』する人はこんなことをしてるかもしれません。

 

  • Aの賞が一行28文字
  • Bの賞が一行27文字

 

この場合、賞ごとに、小説を書き直すんですか?

書きあがって、出版される段階で、体裁が変わるかもしれないのに?

 

こういう勘違いだけは、修整しましょう。

 

 

『最初はざっくり書く』でいい。

小説を書き始めるときは、『大体の長さ』は決めているかもしれません。

でも、その長さになるかどうかは『完成して初めて』分かることです。

 

最初に決めた文字数にするのがプロだろ!

あなたはプロなんですか?

違うでしょ?

プロでないのに、プロを基準に自分をはかってはいけません。

 

サクサク書けている人は『小説の書き方』なんて検索しないですよね?

書けてるんだから。

 

だから、このブログを読んでる時点で『小説が書けていない』わけですよね?

それなら『書けていない』ことを前提に、

『やること』を決めないといけないんです。

 

『できている人』を基準にしてはいけません。

逆上がりができないのに

大車輪をしようとしないでください。

 

『最初に書くとき』なんて『箇条書き』でいいんですよ。

 

『書き方』を簡単に説明してみます。

 

 

ここで説明するのも『一つの書き方』であって『絶対なハウツー』ではありません。

 

『これぐらいの長さになるかなー?』と文字数を決める。

本当の初心者は、文字数も考えなくていいです。
好きなように書いてみましょう。
テキトーに『この話で書きたいこと』を書いてみます。

 

間が飛んでいてもかまいません。

思いついたことだけ、思いついた順に書いていけばイイです。

今日疲れたから、ラスト決まってないけどこれで終わり! 

それでいいんです。

 

ラストまで決めなきゃ! なんて、焦る必要は全くありません。

『書けるところまで書く』それでいいんです。

 

 

これが第一稿になりますね。

 

もう一度書きますよ?

ラストがなくてもいいんです。
水色の部分が、第一稿で書いた文字数だと思ってください。

飛び飛びでもいいんです。

 

思いつかないところは、改行10個ぐらい入れておけばいいです。

 

 

次に書いたときに、読み返しながら、補完していきます。

『緑の部分』が追加、修整したところです。

資料が足りないな、と思ったら、

『書きながら』ではなく

『書く前』『書いたあと』に検索しましょう。

 

『書くとき』は『書くこと』だけに集中してください。
それが、最大の、『書けるコツ』です。

 

書いてるときに検索したりしない。

それだけの話し。

 

 

アイデアを思いついたら、そこをガッと書き込みます。

黄色い部分です。

まだ繋がってない部分がありますが、気にしない。

気にしない!

 

『最初から最後まで繋がった』ら、小説を『詰めていき』ます。

 

  • ラストをどうするか?
  • 冒頭はこれでいいのか?
  • クライマックスは面白いか?
  • 文体は統一されているか?
  • キャラクターはぶれていないか?

どんどん追加していきます。

 

よし! これでいける!

となったときに、細部を完全に詰めます。

  • 文法的間違いを修整する。
    • 『てにをは』を整える。
  • 読みやすいようにチェック。
    • 接続詞を多用していないか?
    • 声に出して読んでも違和感がないか?
    • 誰のセリフなのか、わかるか?
    • 情景は描けているか?
    • キャラクターの感情が伝わるか?

そして、最後に

『誤字脱字のチェック』。

 

『誤字脱字のチェック』は『最後』ですよ。

だって、最初のうちはどうせ書き直すんですから。

 

これをチェックした後に、

友人にチェックしてもらえるなら、渡しましょう。

ここより前の段階での小説を渡すのは迷惑です。

(『プロットから読みたい』という人は別です)

 

 

わかりますか?

『最初に書いた文章』なんて、殆どなくなります。
だから『最初の文章』なんて箇条書きでいいんです。

 

 

これが『推敲して完成させる』方法の一つです。

 

 

そしてもう一つ大事なこと。

完成させなくていいです。

 

書きっぱなしで放置していい。

『書き始めた小説は完成させないといけない』とかいう

無茶なハウツーが出回っていると聞きました。

 

ヒトサマのハウツーに文句を言う気はないのですが

それだけは、聞かなくていいです。

 

 

まず、殆どの初心者は

『一本の小説を書けない』です。

 

絵を描き始める大多数の人が

『絵はがき』から始めますよね?

 

『へたで良い』というのが『絵はがき』の売りです。

 

『へたで良い』のです。

素人がやることは。

なのに、小説家を目指す人は『巧い文章』を目指します。

 

『巧い文章』より『面白いネタ』が重要なのに!

 

 

まずは、数をこなして

  • 筆の使い方
  • 絵の具の使い方
  • 紙の質の違いで同じ絵の具がどう発色するのか?
  • はがきに対する構図。

こういうことを、学んでいきます。

 

そして、『葉書では小さい』と思ったときに

スケッチブックとかのサイズにランクアップしていきます。

 

最初からスケッチブックに描く人も居ますけど

『フケッチブック』はあくまでも『完成品』にはなりません。

 

 

わかりますか?

『絵を描く初心者』は『完成品』を目指していないんです。

 

  • 『スケッチをしないと巧くならない』
  • 『数をこなさないと巧くならない』

それが、『絵を描こうとする人』はわかってるんです。

 

『小説を書く』のも、それと一緒なのに

なぜか『小説を書く初心者』は『処女作から完成』させようとするのです。

 

それは、ムリです。

 

いえ、『完成させる』ことは『可能』ですが

まず『面白くない』です。

 

なせなら、

プレバトの夏樹先生ふうに言うと

『キングオブザど凡人』な作品になるからです。

 

  1. 文章もねれてないからへたくそで
  2. 読み進めるのが困難なのに
  3. 書いてることも、当たり障りのない
  4. そこらへんで誰でも書いてるようなもの。

 

そういうのに仕上がります。

きついようですが、それが現実です。

 

 

そして、『そういう仕上がりになるのかわかってる』から

『これを書き続けて面白くなるのかなぁ?』という疑問が出るのです。

作者がそう思うような作品は、絶対に面白くならないです。

 

だから、そういう作品は『完成させてはいけない』のです。

 

  1. 『面白くならないとわかっている』ものを
  2. わざわざ
  3. あなたの貴重な時間を使って
  4. 完成させて
  5. 公開して
  6. 評価がゼロ。

 

落ち込みますよね?

 

 

でも、しょうがないんです。

書いた本人も面白くないんですから

読む人なんていないんです。

 

 

『評価がほしい』なら

せめて『作者本人』は面白いと思うものを書きましょう。

 

『これ面白くなるのかなー?』というものは

『死蔵』認定しましょう。

 

隔離フォルダにいれて、ナイナイしちゃうんです。

すっきりしますよ!

 

『死蔵』していい例。

私は、最大、一年で33冊本を出しました。

そのうち、八割は、200頁の本です。

 

三週間で600頁ぐらい書くこともあります。

 

それでも、『死蔵』は山ほどでます。

 

なぜなら

『出したアイデアの数』が膨大だからです。

 

これ、面白いな、と思ったときに

とにかくテキストで書いてしまいます。

でも、その殆どは『小説』にはなりません。

 

『アイデア』でとまります。

 

理由は『小説にするほど面白くならない』から。

つまりは『話を膨らませられないから』です。

 

たとえばこういう『ネタ』

 

あなたが『小説書きたい!』と思ったときに

『思いつくネタ』ってこれより文字数がありますか?

 

私は、これらはもう、死蔵です。

 

 ↓ こういうのは、小説本文で使いました。

長編小説の1シーンとしてガッツリ書き直しました。

 

 

このように

『ネタ・アイデア』は『どこで使うかわからない』のです。

 

小説は『文字の集まり』でしかない。

 

『Aの小説用に浮かんだネタだから、Aの小説で使わないと!』

なんて、思う必要も無いのです。

 

『文字』なんだから。

 

絵を描いていて、

「このひまわりが気に入ったから他の絵に貼ろう」とか

コラージュ以外では、普通はムリですよね?

 

でも、小説はできるんです。

 

だからこその『死蔵』です。

『スケッチを一杯した状態』が『死蔵』なんです。

 

だから『死蔵』が多くなれば多くなるほど

あなたは『巧くなってる』んですよ。

 

『死蔵』は『財産』なんです。

 

なのに『死蔵』を『悪』だと決めつけているから

  1. 『途中で終わらせてはならない』と『思って』
  2. 『つまらない作品』にいつまでも関わっているから
  3. 『本当に書きたいもの』が書けなくなるんです。
『今書けない』ものは、『後回し』にしちゃって下さい。

 

『今、思いついたもの』を

『新規ファイル』で次々書いていってください。

 

  • しり切れとんぼでいいですし
  • 途中がなくてもかまいません。

 

どんどんどんどん書いてると、そのうち

『一本仕上げたい!』と思うようになります。

 

そう思ったとき、『あなたにとって』『珠玉のネタ』を見つけられます。

 

ネタは書きようで変わる。

あなたか以前『面白くない』と『死蔵』したネタも

あなたが成長すれば、『これ面白いんじゃない?』と思うことがあります。

 

だから『捨ててはいけない』のです。

そして『見返す』ことができるようにしておかないといけないのです。

 

『空に雲がある』ことを『描写する』のにも

これだけ差が出るのです。

  • 少し雲がある快晴。
  • 綿雲がいくつかある。
  • 澄み渡った青空に、大きな雲がぽかぽかと流れていく。

どれも『同じ情景』でしょう?

 

 

『自分の小説が面白くない』というのなら

『面白い文章』にしてみるといいですね。

 

『他の書き方は?』と自問自答してください。

 

みんな脱落するから、続ければ巧くなる。

『小説を書きたい』って、けっこう、たくさんの人の夢なんですよね。

つまりは『殆どの人』は『脱落してる』んです。

 

だから、今、あなたが

『もっと巧くなりたい』とあがいて検索して

このブログに来ただけでも『凄い』んですよ?

 

  • 殆どの人は『思うだけ』。
  • その次に、『書いてみようとしただけ』。

この時点で、99%は脱落しています。

 

 

『一行も書けない人』は ↓ ここで止まってますね。

 

そして『小説を書く初心者』の殆どはここで止まります。

  • 書きたいところ
  • 冒頭
  • クライマックス

 

これらはかろうじて書けても

『グッと来るラスト』を『思いつかない』。

 

それでも『完成させなきゃ』という『固定観念』があるから

つまんないラストをつけて公開してしまう。

 

  1. つまらないから評価がつかない。
  2. 評価がつかないからやる気がなくなる。
  3. 『小説を書く』ことをあきらめる。
  4. 『私はやっぱりダメなんだ』と、自己嫌悪する。
  5. 他のことも『どうせ駄目だろうな』と着手できなくなる。
  6. 人生がつまらなくなる。

 

『処女作を完成させる』という『無茶』をすると、
人生が詰むんです。

大げさじゃなく、本当に、『あきらめ癖』がついちゃうんですよ。

 

同じ『あきらめ癖』なら『書き続けない』という『あきらめ』をつけましょう。

先程書いたように、『死蔵』してしまいましょう。

 

最初から『この一本にすべてをかける』と思って書き始めるからつらいのです。

 

三年で100本の小説を書こう。

 

そう思ってください。

そうすれば、『最初の一本ができない』状態でも、

つらくないでしょう?

 

実際私は、七年間で、220冊の本を出しました。

つまりは、最低でも、220本を完成させたんですが

死蔵は、その8倍はあります。

 

『どれぐらいの数が死蔵になる』か、わかったでしょう?

 

『ファイル数』であって『テキスト量が八倍』ではないですよw

『完成原稿』は一冊20万文字ですから

それの数倍の死蔵テキストなんて、さすがにないです。

 

ただ『アイデアを、新規ファイルで無数に書きつける』ので

『ファイル(ネタの)数』が

完成ファイル数の数倍になる、ということです。

 

こういう、『数十文字のネタ』が山ほど死蔵になっています。

 

 

10本死蔵にして、ようやく一本書き上がる。

『小説を書く』初心者なんて、

そんなスピードでいいんですよ。

 

 

つまりは『すぐ書ける』と思ってなければいいんです。

 

  1. 『小説なんて日本語が書ければ書ける』と思ってるから
  2. 『簡単に書けない』ことに驚いて
  3. 脱落するんです。

 

『創作』って、『底力』は必要ですからね。

 

地上波の『プレバト』を見ていてもわかるでしょう?

殆どの人は『凡人』か『才能無し』なんですよ。

 

 

藤本さんも、最初は、指折り数えて俳句を作っていたのに

今は名人です。

 

ああいう『努力』は『小説を書く』ときにも、必要ですよ。

 

地上波で、名前は忘れましたが

スガシカオさんの密着をやっているときに

氏が、延々と、一行に悩んでいるサマが映されていました。

 

プロでも、延々と悩むんです。

初心者はもっと悩んで当然なんですよ。

 

まとめ。

絵と違って『テキストの苦労』は『表面化されない』のです。

 

だから、『天才が口述筆記で小説を書いた』と聞いてしまうと

『完成稿を最初から書く』ものだと『思い込んでしまう』から

『完成稿を書こうとする』のです。

 

『完成稿を第一稿から書く』のは『普通はムリ』だと理解して

  1. 思いつくまま書いて
  2. ちょっとずつ推敲していく

これを繰り返して、『完成稿』に向かってください。

 

 

あなたが苦しんでも

あなたを好きな人は、誰も喜びません。

 

楽しんで小説を書いていこうじゃないですか♪

 

 

【この記事を書いた日 2021/02/22 11:34 】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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